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成程話:人を許すということ

2012年11月30日 22:59

中嶋真澄氏の心に響く言葉より

写真家のK氏はある写真雑誌の編集者から、その雑誌の特集記事に掲載するための写真を数点貸してほしいと依頼を受けました。
掲載されれば、勿論K氏の名前も出るし、ギャランティも支払われます。
快くフィルムを預けたK氏のもとに、やがて掲載誌が送られてきたころ、[実は…]と担当編集者から電話がかかってきました。
[どうお詫びすればよいのかわからないのですが、お預かりした貴重なフィルムを紛失してしまいました]というのです。
編集者は返送用の封筒に入れたフィルムを鞄の中にしまい、その鞄ごと電車の中に置き忘れたらしいのです。
[なんて無責任なんだ]K氏は激怒し、電話口でひたすら平謝りの担当編集者を責めました。
[預けた写真はもう一度同じものを撮ろうと思っても二度と取れるものではないんだ。君も写真雑誌の編集者ならそれぐらいのことはわかるだろう]、そして追い討ちをかけるように[それ相応の謝罪と賠償をして貰わなくては困る]と言ったのです。
すると、担当編集者は切り出しました。
[そのことですが、編集長とも相談の結果、こちらの雑誌で連載というかたちで当分の間、先生のお写真を毎回掲載させて頂き、そこに上乗せする形で今回の償いをさせて頂けないかということなのですが…]
それは必ずしも悪い条件ではなかったのですが、K氏は[そんな口約束が守れるとは思えない。だいたい君が担当を外れればそれで終わりだろう。冗談じゃない。きちんと責任をとって賠償金を支払ってほしいね]
K氏が腹立ち紛れもあり相当な金額を提示したので、担当編集者は困り果て、[もう一度、編集長に相談します]と言って、打ちひしがれた声音で電話を切りました。
それから数日後のこと。
K氏のもとに、晴れ晴れとした声で担当編集者から電話がかかってきました。
[フィルム見つかりました。鞄を届けてくれた人がいたみたいで、駅から電話があって…かなり日にちがたっているのに不思議です…]
K氏のもとには無事、フィルムが戻ってきて一件落着。
しかし、K氏が平謝りの担当編集者を責めたてた事実は残り、その後その雑誌社からの写真掲載の依頼は一切なくなってしまいました。
そして数年後、K氏はあまり自分の写真が売れなくなり、どこか売り込む所はないかと苦労していた時、その時の担当者があの雑誌の編集長になっているのを知ったのでした。
もし、あの時寛容に編集者を許していたら…

『成功する人はみんなやっているのに誰も気づいていない人間関係99の法則徳間書店


[後世への最大遺物](内村鑑三)という本の中にカーライルの話がある。カーライルイギリスを代表する言論人だが、何十年もかけて[フランス革命史]を書き上げた。偶々その原稿を見つけた友人が絶賛し、一晩家に借りていった。
しかし次の朝、そんなことを知らない家のお手伝いが暖炉の火付けに丁度いいとそれを燃やしてしまったのだ。カーライルはそれを聞き、絶望的になって10日程は何も手につかなかった。しかし、もう一度思い直し、自分を鼓舞して再び書き直し、その本を世に出したのだ。既に終わってしまったこと、元に戻らないことを、怒ったり、悔やんだり、ネチネチと文句を言っても何も変わらない。人の過去のミスを責め立て、それでよくなることなど1つもない。人のミスを許す人は心の広い人から好かれる人

このデジログへのコメント

  • ゆうき2 2012年12月01日 05:14

    難しい事ですが、そう有りたいですね。
    誰でもミスは有る。。。

  • なな♪ 2012年12月01日 23:48

    ゆうき2さん:ですね

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