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トーマス・マン「魔の山」を読む (0-2)

2009年01月27日 13:20

10月に、トーマス・マン魔の山」を読む(0)を書き始めてその後あちこちに出かけるときに本書をバッグに放り込んで車窓で読むなりコンサートの合間、はたまた眠りに入るまでの10分ほどと纏まりなく読んできて今、上巻276ページのところまで来ているのだがここのところ本作から少し遠ざかっている処に今夜、ドイツ芸術文化テレビ局、ARTE が本書の映画化したものを放映し、そのあと今はホテルになっている 旧サナトリアム、Der Zauberberg に当時逗留した人々の記録や写真、特に1930年から後半の徐々にナチスドイツがこの町、 Davos に根付き第二次大戦に入る頃のスイスの情況を合わせて解説するという「サナトリウムの裏側」とも言うべきテーマの宵、だったのだ。

ドイツ人トーマス・マン描くところの「魔の山」を映画化させたもののデータは次のように映画サイトに出ていた。

魔の山<未>(1981)
DER ZAUBERBERG
THE MAGIC MOUNTAIN
145分

監督: ハンス・W・ガイゼンドルファー
製作:フランツ・サイツ
製作総指揮:フランチェスコ・カサリ
原作:トーマス・マン
脚本: ハンス・W・ガイゼンドルファー
撮影:ミヒャエル・バルハウス
音楽: ユルゲン・クニーパー

出演:ロッドスタイガー
マリー=フランス・ピジェ
シャルル・アズナヴール
クリストフアイクホルン
フラヴィオ・ブッチ
ハンス・クリスチャン・ブレヒ
レグザンダー・ラザン
アン・ザカリアス
【解説】
 トマス・マンの同名小説をもとに、スイスの山奥にそびえるサナトリウムで繰り広げられる、生と死を描く文芸大作。24歳になるハンスは、いとこを訪ねる。いとこは、山中にあるサナトリウムに三週間の予定で滞在していた。ハンスは、サナトリウムを支配している退廃的な雰囲気に魅了され、自ら病気になって数年間そこに滞在する。だが、第一次世界大戦が勃発、平和だったサナトリウムにも混乱が訪れる。

ここまでがそのデータベース記述で実際自分が読んできたところまで、つまり大体全体の四分の一を少し越えたところの部分は素早くこの映画では過ぎたように感じられた。 ドイツ語が不自由な自分には映画は障子の向こうで演じられているようで大まかには筋はつかめるものの細かなところは分らないからそういう風に感じるのだろう。 映画の後、そのサナトリウムの現在と多分そこで撮影されたであろう映画を比べ、また本作で描かれることの少ない建物の具体的な様子や人々のコスチュームを見るのは読書での想像力を助けるのに役立つ。 

実際に人々が話すテンポや抑揚、特に本書を日本語訳で読むから実際ドイツ人がどのように喋ったのかというイメージにしても些か戸惑う部分もあり、映画では演劇と同じく些かデフォルメされているのかとも思い、それぞれ登場人物の描写に少々がっかりしたのは「風とともに去りぬ」を読んでその後観たクラーク・ゲーブルビビアン・リー主演の映画化でもそのようだったと言った若いときの私の母親感想にそのベクトルの方向は違っても同感するところがあるのかもしれない。

映画を観てから想ったのだがドイツ語がはっきり分らなくて助かった部分が大きい。 読む自分の想像力の位地がカメラであり細部であれば映画より実際に文字を追って頭の中で組み立てる世界の方が数等奥行きも広がりもある。 確かに主人公はかなりのスノッブだが映画の中の人物はイメージに比べてひ弱すぎるような感じがした。

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