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夜汽車のチョコレートにスコッチ

2009年01月05日 00:41

夜汽車のチョコレートにスコッチ

寒くなりジャズコンサートの行き帰りも様子が少し変わる。

行きは夕食を終えてそそくさと自転車で駅まで走る事は変わらないものの、済んでからコンサートホールを出てアムステルダム中央駅まで港沿いの何もない空間を歩いて戻ることから、ああ、冬だなあと感じるところからことが始まる。 ジャズの、熱くときには静かな熱気に包まれたまま外気に出るとそこからの10分ほどが風もなく晴天の夜であればまだ凌げるものの惨めな雨風に叩かれればアルバート・アイラーに後ろから、でもなく耳のプラグから、少々押してもらわねば駅舎にたどり着くまでの700mがきつい。

それにマイナスも10度になると雨も風も雲さえ一切ないキリリとして気持ちのいい、星が一杯の快晴なのだがそれでも寒さが骨身に沁みる。 ホールを出る前にコンサート中に入れておいたビールや何やかやの水分を抜いておかないと途中で困ったことになる。 それは寒い国に住む若者に限らず老人、それに特にご婦人には切実な問題だ。 ということをこの2,3年痛切に感じるようになったこの時期だ。

まして夜汽車の40分ほどの間に寒々とした体に入れるものとして今の時期、こんな状態でビールなど飲む気にならない。 シベリアに住むロシア人がウオトカを飲む気もちがよく分る。 腹に入れるものは家に戻ってからは何か熱いものを腹の足しにしようという気持ちになるからそれではそれまでの虫養い、ポケットに入れ忘れていても今は溶けない「苦い」チョコレートを肴にスコッチをちびりちびりとやるのが適当だろう。 車両に殆ど誰もいない中、時間つぶしには別段急く事もない事柄について書かれた書物のページをめくりながら、駅から家までの自転車が凍りつかない程度にペダルを漕ぐための燃料補給をしながら時々灯が見える暗黒の平らな牧草地を抜ける夜汽車に揺られて先ほどまでの緊張・緩和に溢れた創造的音楽世界をしばし忘れて別世界で遊ぶこととなる。

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