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スノーケーキを君に; 観た映画、 Jan 09

2009年01月11日 12:20

スノーケーキを君に <未> (2006)

原題; SNOW CAKE

製作国イギリスカナダ

監督:マークエヴァン
製作:ジーナカーター
ジェシカダニエル
アンドリュー・イートン
ニヴ・フィッチマン

製作総指揮:スティーヴ・クーガン
ロバート・ジョーンズ
ヘンリーノーマル
デヴィッド・M・トンプソン
マイケル・ウィンターボトム
脚本:アンジェラ・ペル
撮影: スティーヴ・コーセンス
音楽: ブロークン=ソシアル=シーン

出演:アラン・リックマン
シガーニー・ウィーヴァー
エミリー・ハンプシャー
キャリー=アン・モス
カラム・キース・レニー
ジェームズ・アローディ
ダヴ・ティフェンバック
デヴィッド・フォックス
ジェイン・イーストウッド
セリナ・カデル

BBCテレビで深夜映画にこの映画がかかっていたのだが始めの20分ほどを見逃した、というよりこの映画のことを知らずに他のものを見ていてザップしていてたまたまアラン・リックマンの顔が出ていたので観続けたというわけだ。 そこで慌ててテレビガイドを見れば監獄を出た男がカナダのウィ二ペグに住む友達を訊ねる途中にヒッチハイクティーンエージャーを車に乗せて、、、、、とあったから何かよからぬことが起こるドラマかと思ったのだがリックマンの風貌を見ると極普通でそれに惹かれてソファーに座り込んで最後まで観たという具合だ。

中産階級初老にかかろうかという普通の、特別仕草や表情、話す言葉に邪悪が張り付いていることもなく、ガイドに監獄に入っていた男が、とあるから何故収監されていたのかそれに興味がいったけれどそれはガイドに書いてあること、読まねばよかったことで兎に角このドラマ、というか熟年の男が当然自分の娘ほどの少々ハシャギ気味のイカレタ風に見える、けれど途中で入ったダイナーズで母親への土産だとプラスチックボールを投げつけるかどこかに叩きつけるとキラキラ光って喧しい音楽が鳴りキッチュ極まりないものが母親の気に入りだから、というのも訝しがりながらもそのまま娘と普通の退屈極まりない中年男が娘の気に入りのラジオの音楽だといってヴォリュームを上げたらそれは私も気に入りの、当時日本人ベースが参加していた60年代後半、イギリスバンド、Free の 「Allright Now」 だった。 これはいいぞ、と思った途端、タンクローリーが飛び出してきて雪の地方道に車ごと何回も転がり、埋まり、命からがら雪の中に半分埋まった車から出てきて、救急車パトカーが来て茫然とした男が言葉もなく寒々とした地方警察で死んだ少女のことや事故の様子を聞かれても言葉もなく立ち尽くす。

自分の過失ではないものの幾分の良心の呵責に耐えかねて少女の手持ちの荷物、とりわけハンバーガーを一緒に食べたときに少女母親のために買った土産を届けねば、と母親の家のドアの前に立てばそこに流れるのは60年代の終わりか70年代に日本で子供に人気のあったドリフターズのなんとか音頭だったのには驚いた。 それにまた驚くのはその母親シガーニー・”エイリアン”・ウィーヴァーだった。 自閉症だというのだがこういう「饒舌」型自閉症があるとは知らなかった。 そこでの会話の素晴らしさ、更にその隣人のキャリー・”マトリックス”アン・モスを絡めた話とスクリプトの展開に惹き入られて結局終わりまで観た。

リックマンの主演を観たのは本作が初めてでこれと同じ年に撮られた「パフューム ある人殺しの物語」は既にペーパーバックの原作を読んでいてリックマンが出るというのでもしかして主役かとおもったものの年恰好からすればそうでもなく結局は殺される娘の父親の役でダスティン・ホフマンの良いところ取りだけの演技とともに少々物足りない思いをしたのだが本作で初めて味のあるリックマンを観て満足した。 

そのそもリックマンは元々、シャープライフルという強力な、アメリカバッファローを全滅させたと言われる銃を持ってアメリカからオーストラリア新天地を求めてやってきたトム・”マグナムセリック主演の「ブラッディ・ガンQUIGLEY DOWN UNDER<未>(1990)」で悪役を演じたを観たのが最初だ。 コルト45リボルバーを操る悪さで唸らせ悪役では「荒野の用心棒」でのリー・バンクリーフ、「許されざる者」の保安官、ジーン・”ポパイ”ハックマン、「シェーン」のウォルタージャック・パランスと共に記されてもいいと思うのはその映画でシャープライフルの扱われ方がよかったからという贔屓目からかもしれない。 それに「ダイハード」も観たことはないし「ハリーポッター」も家族の義務として観させられただけで充分に彼の演技を観るという意味で満足のいくものではなく、「いつか晴れた日に(1995)」では幾分か味がでていたもののこれでこれからのリックマンを観るスタートになったといえるだろう。 本作で何人かが言っていたようにリックマンのアクセントがいい。

もう一つ驚きがあった。 この10年以上BBCテレビで観ているイギリスコメディアン、スティーヴ・クーガンが観終わったあとクレジットに製作総指揮の一人として出ていて信じられなくネットで確かめたらそうだった。 様々に軽妙な人物を演じ分けるキャラクターはある種、イギリスのジェリー・サインフェルド的でありその演技に対照して本作に関わりのあることに微笑んだ。

ウイットとファンタジーのある脚本はこの物語を自然なものにして、隣国アメリカのぎとぎとした造りからカナダイギリスアメリカからスタンスを保つ意味をも考えされられる佳作だ。

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