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いい話…ゆっくりと急げばいい
2012年02月06日 09:02
【ゆっくりと急げばいい】
伊集院静氏の心に響く言葉より
30数年前の初夏。
私はトランクひとつで東京駅の切符売り場に立っていた。
東京での暮らしが嫌になり、田舎かどこかの街に行ってやり直そうと思っていた。
横須賀までの切符を買った。
その日は葉山の御用邸近くの釣宿に泊まり、翌日の午後、海岸を逗子の方に歩いた。
缶ビールを買い砂浜で飲んでいると背後で声がした。
「昼間のビールは格別でしょう」
振りむくと白髪の老人が立っていた。
二人してぼんやり海を見ていた。
「ここら辺りに宿はありませんかね」
「私のところも宿をやってます」
老人の指した海岸沿いに木造の古いホテルがあった。
「宿賃が高そうだ。金があまりなくて」
「金なんか大丈夫。まあ泊まってみなさい」
たったそれだけの会話で私はそのホテルに7年半という歳月世話になった。
世話になったと書いたのは宿賃が長く払えなかったからである。
私は無職だった。
「な~にホテル代なんぞ、出世払いでいいんですよ。あなた1人くらい何とかなります」
老人はホテルの支配人で、昔は外国航路の厨房長だった。
今、山下公園の前に停泊している氷川丸にも乗っていた。
海のものとも山のものともわからぬ青二才をI支配人はいつも気にかけてくれて「ゆっくりやる方がいい。先は長いんだ」と夜ウイスキーをご馳走してくれた。
半年、1年と宿賃がたまっても笑っていたし旅に行くと言うと大きな金庫を開けて、少し持って行きなさいと渡してくれた。
途中から食事代もままならずホテルの従業員の賄い食を一緒に食べた。
少しだけ仕事をするようになっても、いつも言われた。
「損、得で仕事を選んじゃ淋しい人生になりますからね。おおらかが一番イイ」
「伊集院さん、愉しみなさい。人生はアッという間に過ぎてしまいますから。でもあせっちゃダメだ。ゆっくりと急げばいい」
“なぎさホテル”
そのホテルの名前である。
『続・大人の流儀』講談社
伝説のアマチュアゴルファーの中部銀次郎氏の言葉に「悠々として急げ」がある。
ゴルフは遅いプレーはまわりに迷惑がかかる。
だから、悠々としてゆっくりと急ぐことが必要、それもセカセカせずにということ。
人生もまた然(しか)りで、遅れてはいけないが、さりとて、あくせくなりふり構わぬのも見苦しい。悠然と、しかもしっかりと急ぐ事が大事。
人生はあっというまに過ぎてしまう一瞬のドラマ。
焦らずゆっくりと急ぎたい。
このウラログへのコメント
おはよう。此の老人は人生を達観している。有る程度生きないと人生は判らないと言う事。仕事も楽しくが良い
千夜恋逢さん:いいですね。人柄が伝わってくる方ですよね
なださん:ですよね。ホテルとなると色んな方がくるから他の方より色んなこと知る機会が多いのかな?
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