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印象的な話:結婚を控えた娘に
2013年12月04日 20:42
『結婚を控えた娘に』
いよいよ来月、結婚するんやね。
おめでとう。
ジューン・ブライドに憧れていた筈やのに、君は結局、お母さんの旅立った8月を、式の日に選びました。
あなたの母親であり、私の妻であった、我々の最愛の女性は、ある、小さな記事として新聞にも掲載された交通事故により、君がまだ6歳の時に亡くなりました。
突然すぎて、悲しみ抜いて、途方に暮れて、精神的に参ってしまった私は、死のうとしたんです。
バカなことに、君を連れてお母さんを追いかけようとした。
その日、最後の思い出にと、家族でよく出かけた遊園地に2人で行きました。
君は嬉しそうに、はしゃぎ回った。
いつも家族で乗ったメリーゴーランドにひとりで乗る君を、私は精いっぱいの笑顔を作って、だけど力なく手を振って、君が「お父さーん」と呼ぶ声に必死で答えていました。
兎に角きみは楽しそうで、これが最後の遊園地になることも知らずに、いや、今日が最後の日であることも知らずに、元気いっぱいに走っては、乗り物をハシゴしてた。
君が楽しげであればある程心は痛んで、でも、心が痛めば傷む程、必死で笑顔を作るようにしました。
やがて急流すべりを乗り終わって、こちらに駆けつけてきた君は、満足げな表情で見上げつつ、私と手をつないで、ニコニコしながらこう言いました。
「もういいよ、お父さん。もう、お母さんのところに行こ」
君は気づいていたんやね。
君を抱いたまま、ムリヤリ、父親の私がこの世を去ろうとしていたことを、なぜか知っていたんやね。
この言葉で、私はハッと目が覚めました。
私はこんなことを言った。
「あほ!
お母さんに怒られるぞ、ミサト!
いつか、お母さんがご飯作って待ってるのに、迎えに来てくれたお前と駅前の焼鳥屋に寄り道した時みたいに、『そんな勝手なことするんやったら、二人で出て行きなさい!』って、お母さんスネるぞ!スネたらひつこいぞ~!」
こう言うと君は…、お葬式の日以来、お母さんのことでは全く泣かなかったミサトは、セキを切ったように大きな声で泣きだしたね。
24年前のあの日のことを、君は憶えていないと言います。
でも、君に子供が、そう、私とお母さんにとっての孫ができて成長したら、あの遊園地に皆で行こう。
お母さんの分も入場券をちゃんと買って、皆でメリーゴーランドに乗ろう。
そして皆で、思いっきり笑おな。
ミサト、本当におめでとう。
(滋賀県・60代男性)
『なみだのラブレター』
橋本昌人編集
ヨシモトブックスより
感動です♪
誰かが誰かを想うということは、本当に尊いことだと感じました。
人知れず、想っていたり想われていたりする中で、自分も沢山の想いを込めて行こうと思います
このウラログへのコメント
やっぱり家族ですね
りぶらさん:そうですね
うちに、当てはめたいけど
当てはまらないなー
PANDAさん:そのときは辛くても、あとでいいことって、あるものですね
うさぎ仮面紳士さん:これはなかなか当てはめにくいかも
星の数ほど人が居て
星の数ほど想いがある
ウチの好きなアニメの一節
見えないもの含めそれはそこに在る
カズミさん:人の数だけ考え方だったり、違いますね
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