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成程話:品を保つということ

2013年08月14日 23:03

曽野綾子氏の心に響く言葉

品を保つということは、一人で人生を戦うことなのだろう。
それは別にお高く止まる態度を取るということではない。
自分を失わずに、誰とでも穏やかに心を開いて会話ができ、相手と同感するところと、拒否すべき点を見極め、その中にあって決して流されないことである。
この姿勢を保つには、その人自身が、川の流れの中に立つ杭のようでなければならない。
この比喩は決してすてきな光景ではないのだが、私は川の中の杭という存在に深い尊敬を持っているのである。
世の中の災難、不運、病気、経済的変化、戦争、内乱、すべてがボロキレかゴミのようになってこの杭にひっかかるのだが、それでも杭はそれらを引き受け、朽ちていなければ倒れることなく、端然と川の中に立ち続ける。
これがほんとうの自由というものの姿なのだと思う。
この自立の精神がない人は、つまり自由人ではない。
品というものは、多分に勉強によって身につく。
本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず、利己的にならないことだ。
受けるだけでなく、与えることは光栄だと考えていると、それだけでその人には気品が感じられるようになるものである。
健康を志向し、美容に心がける。
たいていの人が、その二点については比較的熱心にやっている。
しかし教養をつけ、心を鍛える、という内面の管理についてはあまり熱心ではない。
どうしてなのだろう、と私は時々不思議に思っている。

『人間にとって成熟とは何か』幻冬舎新書


2006年、拉致被害者の家族、横田早紀江さんは訪米し、ブッシュ大統領と会談した。
その時に手渡した英文の手紙にはこう記されている。「娘のめぐみは1977年、北朝鮮拉致された時13歳で、中学校から歩いて帰る途中でした。その後、20年間は彼女に何が起きたのか分からず、苦悩の時を過ごしました。後に亡命した北朝鮮工作員からめぐみ拉致されたことを聞きました。工作員は『彼女工作船の船底にある小さな暗い部屋に閉じ込められ、(日本から北朝鮮への)暗い海を渡る間、“お母さん助けて”と叫びながら、部屋の壁を爪でかきむしっていた』と証言しました」
横田早紀江さん程、静かで気品がありながら、しかも凛としている人を知らない。当時の産経新聞には「彼女の様に気品の中に迫力をもつ外交官がいたら、戦後日本の地位も違っていたのではないかと思う」と書いている。
強い信念を持ちながら同時に周りに感謝し与え続ける人。
それが…端然と川の中に立ち続ける杭の様な凛とした人。
気品と強さを身につけた自立した人でありたい

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