★吉原（12）

本日から吉原関連の川柳で・・・




『世の中は暮れて廓（くるわ）は昼になり』

・・・吉原は、昼間、閑散としています。夜ともなると、こうこうと灯ともり、世間と反対に賑やかになります。　



『迎ひの女房四郎兵衛とひと喧嘩』
『門番にさへ通り名をつけるなり』

・・・大門は、屋根付き黒塗りの木造で、扉は明け方に開き、夜は四つ時（午後10時）に閉めるきそくがありました。閉まっている時は、左右の袖門から出入りをさせていたようです。
この関門を通れば、右手の方に廓の出入りを監視する「四郎兵衛の会所」があり、左手の方には与力同心の手先が、警戒するため詰めている番所がありました。まぁ、酔っ払いやタチの悪い輩にいたし・・
「元吉原」時代には、庄司甚右衛門が総名主を、「新吉原」になってからは、三浦屋四郎左衛門がこの任にあたり、三浦屋の雇い人である四郎兵衛を定詰とたのですが、代々四郎兵衛の名前が世襲。・・・で、まあ、通り名・・遊女達と同じようにね。




『大門を出ると思案にけつまづき』
『大門を出ると女房が怖くなり』

・・・まぁね、これは、時代を超えて、今にも通じるかな。大門の内と外・・・これはもう別世界。




『禿（かむろ）に掴まると入墨では済まず』
『通らねばならぬところに禿ゐる』
『死ねばって放しはせぬと禿云ひ』
『ちょろっこいやうでももげぬ禿の手』

・・・禿（かむろ）は花魁の妹分で・・・禿（パイパン）の意味なので、10歳～12歳くらい。前にも書きましたが・・吉原ルールでは、ある花魁と馴染みになると・・他で遊ぶことは浮気にあたり・・ルール違反。だけど・・遊びにきている男連中は、折角だから、あっちこっちで・・と、当然、思います。禿（かむろ）に見つからないようにすることが・・楽しく、あっちこっちで遊ぶコツ。・・でも、なかなか・・




『大騒ぎ五丁に客が一人なり』

・・・ 元吉原は、日本橋葺屋町（現在の中央区日本橋人形町付近）。廓内には江戸町一丁目、二丁目、京町一丁目、二丁目。角町（すみちょう）の五丁がありました。新吉原に移転後、揚屋町（あげやちょう）、伏見町、堺町、仲の町が新規に設けられ五丁ではなくなりましたが・・・通称、五丁街と呼ばれていました。

その五丁を紀伊国屋文左衛門が一人で買い占めたわけですから・・いやー凄い！




明日に続く・・・。