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★吉原(5)高尾太夫 後編

2011年05月18日 00:03

★吉原(5)高尾太夫 後編

神田にある紺屋に勤めている染物職人久蔵。真面目が着物をきて歩いているようなこの男が相手は「大名道具」と言われる松の位の高尾太夫に一目惚れ。三年間、一心不乱にお金をため・・・吉原へ。


さて、三浦屋。久蔵高尾の部屋でドギマギしていると高尾太夫がしずしずと登場。少し斜めに構えて、煙管で煙草を一服つけると「お大尽、一服のみなんし」。松の位の決まりとして、初会では客に肌身は許さないから今日はこれで終わり。花魁が型通り「今度はいつ来てくんなます」と訊ねると、感極まった久蔵は泣き出してしまった。


『ここに来るのに三年、必死になってお金を貯めました。今度といったらまた三年後。その間に、あなたが身請けでもされたら二度と会うことができません。ですから、これが・・今生の別れでございます』



大泣きした挙句、自分の素性や経緯を洗いざらいしゃべってしまった。ところが、さすがは最高位の花魁高尾の方も、久蔵の指先を見て、贋のお大尽と気がついていたらしい。・・・久蔵は、怒られるかと思いきや、高尾は、なぜか涙ぐんだ。


『源・平・藤・橘の四姓の人と、お金で枕を交わす卑しい身を、三年も思い詰めてくれるとは、なんと情けのある人』


自分は来年の三月十五日に年季が明けるから・・・『その時、ぬしの女房にしてくんなますか?』・・・と言われ、久蔵、びっくり!感激のあまり、またもや大泣き。



そして、お金をそっくり返され、夢うつのまま神田に帰ってきた久蔵。それからと言うもの、前にも増して物凄いペースで働き出した。



『来年の三月十五日…あの高尾お嫁さんにやってくる』・・・それだけを信じて。



花魁の言葉なんか信じられるものか』なんていう仲間の苦言も何のその、執念で働き通して・・・いよいよ次の年の三月十五日・・・・



本当に高尾がやってきた。久蔵、『・・ウーン』と失神。その後、久蔵高尾が親方の夫婦養子になって跡を継ぎ、夫婦そろって何とか店を繁盛させたいと、手拭いの早染め(駄染め)というのを考案する。その速さと粋な色合いがブームとなり、通称「かめのぞき」と呼ばれるようになり、久蔵の店は大繁盛することになった。



めでたし、めでたし!


・・・で、 浅黄色のこの染物は、吉原に繰り出す酔狂の間で大流行したと言われています。「かめのぞき」と言うネーミングですが、その由来は・・・高尾が店に出て、藍瓶をまたいで染めるのを見ていた客が、高尾が下を向いていて顔が見えないので、争って瓶の中をのぞき込んだ・・・ことから来ているそうですよ。



このお話、『紺屋高尾』の名称で、落語講談になってます。高尾太夫は他の話にも登場しますが・・基本、花魁にしては、実を通し、情の深い女性として描かれているようですね。

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