Karel Boehlee Trio

Ｋａｒｅｌ　Ｂｏｅｈｌｅｅ　Ｔｒｉｏ

Ｓａｔ．　30　Ａｕｇ．　０８　at City Music School in Leiden, Holland
13:10 - 15:00

Karel Boehlee (p)
Theo de Jong (el. b)
Martijn Vink (ds)


１）Little Prince　（K.B)
２）　　　　　　　（Joe　Henderson)
３）６８２４　　（K.B)
４）Orange City (K.B)
５）Ｂｕｚ　Ｂｅａｔ　（Ｋ．Ｂ）

休憩

６）Ｍａｉｄｅｎ　Ｖｏａｇｅ　（Ｈ．Ｈａｎcｏｃｋ）
７）Ｇａｒｄｅｎ　（Ｋ．Ｂ）
８）Ｇｏｏｄｂｙ　Ｓｅｂｒｉａ　（Ｋ．Ｂ）
９）Ｆｏｏｔｐｒｉｎｔ　（Ｗ．Ｓｈｏｒｔｅｒ）

地元の夏の終わり野外コンサートの一環としてジャズには似つかわしくない午後1時開演である。

このピアノは日本とも馴染みが深いらしい。　既にヨーロピアンピアノトリオのピアノとしてそろそろ20年になるのではないか。　日本のレーベルがプロモートしたものだから名前は残っているもののメンバーはとっくに換わっている。　このヨーロッパピアノトリオというのはオランダのジャズメンが中心なのだけれどオランダでは全く知られていない。

ここ何年かライブで見かけ、そのピアノのリリシズムというか彼のピアノに惹かれて機会があれば聴く。　最近ではオランダのジャズハウスでライブ録音、At The Beauforthuisといういいアルバムを時々は自転車に乗りながら聴いている。　このＣＤは半年ほど前に何処かのライブに行ったとき会場内のＣＤショップで買ったものだが本人の言では日本しか販売していないとのことで何か妙に反転しているような気がしたものだ。

この日は地元の音楽学校の教室でのコンサートであるし、外の野外舞台では陽気なサルサか何かのパーフォーマンスがあるのだろう。　観客はといえばほぼジャズ関係者か地元の同好会のメンバーぐらいで15人程度だ。　この間このピアノを聞いたのは冬で急遽ベルギーのジャズハーモニカ奏者トゥーツ・シールマンのピアノとしてこの町の教会でえらく高い入場料をとってシールマンの年金になるようなものだったのだが年寄りの今更ながらのハーモニカはともかくその中で一つか二つ長いピアノソロを演ってそれが光っていたのが慰めだった。

今日のベースは私には初めてでアンプはフェンダーでも楽器はそのブランドのエレキベースでなく、フレットがついているけれどベースの低音もこもらず中高音の響きや抜けもよくソロでは動きのいいピアノに沿った好感の持てる人だ。　

ドラムスのフィンクはオランダで最も活躍しているジャズドラマーの一人でこの何年か一年に２３０以上の舞台をこなし、Ｊｅｓｓｅ　ｖａｎ　Ｒｕｌｌｅｒのドラムスとしても日本で人気がある。　それにオランダが誇るビッグバンド、Ｔｈｅ　Ｊａｚｚｏｒｃｈｅｓｔｒａ　ｏｆ　ｔｈｅ　Ｃｏｎｃｅｒｔｇｅｂｏｕｗの常任ドラムスである。　このビッグバンドは10月に日本公演を行い横浜のジャズフェスやＢｌｕｅ　Ｎｏｔｅで演奏することも決まっていてすでにＪｅｓｓｅ　ｖａｎ　Ｒｕｌｌｅｒの作をフィーチャーしたこのオーケストラＣＤを日本で出している。

このあいだオランダの女性歌手Ｔｒｅｉｎｔｊｅ　Ｏｏｓｔｅｒｈｕｉｓのバックとして何公演かおこなってきて大盛況で手ごたえがあったこと、ビッグバンドの日本公演には行けないことなどをポカポカする運河に面した歩道でいつもとはちがって昼飯のサンドイッチにオレンジジュースを手にしたこのドラマーから伝えられた。

基本的には自作を中心の構成だ。　１）はもうほぼ作ってから20年になるそうで愛らしいメロディーをもつもののそれを発展させたところではただの愛らしさが強くしっかりとした動きをもっていることで我々を彼のピアノ世界に引き入れるものとなる。　新旧自作の間にハンコックの処女航海が入っていたり最後に何をやるか決めていないのだけれどとぼそっと言ったこのピアノに会場から、じゃ、Ｆｏｏｔｐｒｉｎｔはどうかな、とリクエストが出て、それを見事に演奏をしたことからも聞くほうもこのピアノの好みや資質を心得ているようだった。

下記のサイトでＫａｒｅｌ　Ｂｏｅｈｌｅｅの音源が聴ける
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=236566444