４３歳の過ち　その１１

チェックインまでまだ余裕がある。
彼女が
「この時間だったらお腹空いてるんじゃないかと思って、私もあんまり食べないできたから、何か食べるなら付き合うよ？」
って気遣ってくれた。
イヤイヤ、お気遣いなく。
「僕も、軽く済ませてきたよ。」
ホントはあんまり食べちゃうと、クスリが効きづらくなるらしいので、、、
なんてことは黙っておいて、

「小腹がすいたらルームサービスでも頼もうよ。
このままドンキでお菓子とか買ってこうか？」

と二人で買い物デートをする事にした。
お互い知り合いに、ばったり会う可能性はほとんど無い街

スーツ姿の僕とドレス姿のあなた
買い物カートを押す僕に
「あなた。今夜のおかず、何にしましょうか？」
と笑顔で冗談をいうあなた

ああ、こんなお嫁さんと一緒になれていたら、僕は浮気なんかせず
いつもまっすぐ家に帰るのになぁ、、、

ビールとカクテル、お菓子を買ってレジを済ませる。
左手に買い物袋、右手はあなたと手を繋いで。

クルマに乗り込んでも、彼女と手を繋いでいた。
ずっとそうしていたかったから。

海に向かって走る車の中、お互いに少し言葉が少なくなる
少し二人の手が汗ばんでいたのは、暖房を効かせすぎたせいではなかった。