４３歳の過ち　その６０

「また逢えて、嬉しかったよ。」
帰りの車の中からメッセージを送る。
「もう、帰ったら下着替えなくちゃ、、、それじゃ、またね。」
お？
「もう逢えないよ」から「またね」に変わった？
嬉しいなぁ。
ココロを込めて貴女を犯した甲斐があったなぁ。。。

それからまた、少しずつメッセージのやり取りが増えていく。
アタマでは抑えようとしている想いを、ココロが塗り替えていく。

でも、やっぱり調子に乗るとおかしなことが起こる。
たった一つの言葉の行き違い
たった一つのココロの行き違い

ある日、僕は夕食の支度をしながらメッセージのやり取りをしていた。
その日のメニューはハンバーグ。
あるシェフのホームページに載っている、ニンジンまるまる一本をタネに練りこむ激うまモノで我が家の定番ハンバーグだ。

彼女にもこの旨さを分かち合いたくてレシピを教えた。
その時、彼女は甘えるように、
「私にも作って～」
と打って来た。
せっかく教えたんだから、家族に作ってみんなを喜ばせてあげて欲しかったから
「どうぞご自分で作って下さいなっ！」
とちょっとふざけて怒ったように送り返した途端、
彼女は黙り込んでしまって、そのまま会話が途切れてしまった。