４３歳の過ち　その２９

帰りがけに、年長さんの長女におもちゃを買っていきたいというので、ビックカメラに立ち寄り、買い物ついでに駅ビルでブランチを摂る。

帰り道、自宅までは、、、いや、僕にとっても地元だから、誰の目に付くか分からないから
ふた駅手前まで送っていく事にして、車を走らせる。

行きの時と変わらず、手を繋いだまま。
少し変わったのは、車の中の空気。

行きの車の中のドキドキは消えて、優しさで満たされた車内。
これから冬に向かう景色も、なんだか暖かく見えた。

程なくして助手席の方から寝息が聞こえてきた。
無理もない。

ハードワークのうえ、数時間しか寝てないのだから。
全く、、、誰が悪いのか(笑)

穏やかな時間もすぐに終わり、駅についてしまう。
彼女を起こすと車から降りる間際、僕の頬にキスをして、

「ホントにありがとうね」
はにかみながら言ってくれた。

いや、僕の方こそ、夢のような時間をありがとう。
今度はいつ逢えるんだろうね。

彼女を乗せた電車が走りだす。
見えなくなるまで、お互いに手を振っていた。

急に睡魔が襲う。
家に着くまでに何回もコンビニの駐車場に立ち寄り、その都度短い時間意識を失った。