恵理香 17-卒業

「種類は？」
「ラブラドール」
「あの盲導犬のか？」
「そう」
「どうして？」
「田舎で飼ってた」


あんな母なのに、何故か犬だけは好きで可愛がっていた。
義父はそうではなく、女だけ。
「どうした？」
「思い出してた」

「分かった。一戸建てで犬が飼える家を探す」
「うん」


映画をまた一本見終わると、恵理香が聞いて来る。
「そろそろしていいよ」
「いいの？」
「したくないなら・・・」
「遣りたい!!」


布団とマットを敷こうとすると、あたしがすると言う。
すぐ飛び掛った
「ほんとタフだわ。見てこの立派なこと」
「嫌か？こんなにされて」
「ううん、こんなにしてくれて嬉しいよ」

何とか１０分と一寸入れて置くことが出来た。
少しずつは伸びているのだろうか？
俺には分からなかった。

「もういいの？」
「これ以上遣ると恵理香に出て行ってしまわれる」
「大丈夫。京介さんが出て行けと言うまで、あたしここに居る」
「言う訳が無いだろう。こんなに料理の上手い女を」
「料理か」
「違うよ。分かってるだろう？」
「言って貰わないと、分からないわよ」
「恵理香が好きだ!!」

こんなあたしを？
「有り難う」


俺は真理さんにまた感謝した
あっそうだ、昨日は会って説明したが、今日はしてないのを思い出した。
それを思い出すと急いでメールを送った。
すぐに返事が来て、こう書かれていた。
「良かったね。もう貴方は私から卒業。これからは良い友達として付き合って」
明日の昼に電話を架けよう。


*************************
facebookにも来てください
http://on.fb.me/fbbT8F
*************************