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恵理香 10-田舎

2011年01月10日 00:23

恵理香 10-田舎

女を後ろ向きに抱き、湯船にこうして入っているのが俺には不思議だった。
また一つ、初めてが増えた。

「どうした?」
恵理香が暫く黙り込み、何かを考えている様に俺は感じた。
「何でもない。出て来たの半年前」
「そうか」
「金が掛かっただろう?」
バイトで貯めていたけど、すぐ無くなった」

こっちは物価が高いので、そうだろうと考えた。
田舎を聞いてなかった」
八戸
青森か、そうか・・・

「どうかした?」
「俺は黒石なんだ」
「へー、田舎一緒だ」

年寄りではあるまいし、縁なんて信じない・・・
しかし、都道府県は47もある。
面白い事もあるものだと俺は考えた。


恵理香が一度こちらを向き、先に立ち上がった。
俺も立ち上がる。
少し恵理香の尻が横から見えた。
大きなアザがあるんだ・・・?

俺は恵理香の肩を掴むと後ろ向けにした。
そこにはミミズ腫れした幾つものアザがあった。

「恵理香これどうした?」
「・・・・・」
「誰に遣られた?」
「・・・かあちゃん」

俺は腹が立ってブルブルと震えていた。
「俺が同じ目に遭わせてやる」
「止めて。お願いだから」
「もうずっと前のことだから」

真剣に頼み込む恵理香に、俺は自分に言い聞かせた。
「解った」


「俺は床で寝るよ。ベッドが小さいから」
「ダメ。ベッドに二人で寝ればいい」

恵理香は、何故こんな言葉が次々に出て来るのか不思議だった。
男なんて大嫌いなのに、触られるのも触るのも、なのにどうして?

「落っこちるよ」
「だったら床で一緒に寝よ。このカーペット暖かそうだし」

薄めのマットと敷布団で丁度いい具合になった。
羽毛の掛け布団は一枚しか無かったが、毛布が3枚もある。
「羽毛は紫野さんが使って」
「恵理香が使え。紫野さんは止めてくれ」
「どう言えばいい?」
「京介でいい」
「だったら京介さんにする」


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