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恵理香 09-思惑
2011年01月09日 00:07
「あんた、あの子はまだ13なのよ、分かってる?」
「分かってるさ」
恵理香の母、恵美がその夫の智也をきつく詰っていた。
「ブラなんか買ってやって・・・あの子と遣りたいのは分かってるんだから」
「まだ遣らないさ」
「まだって何よ、まだって」
「遣ったら承知しないからね」
「あぁ」
「あんたって人は、昔から女にかけては手が早いんだから」
「お前と結婚してからはしてないだろう?」
「そんな事分かるもんですか」
「最近は大人しいもんさ」
「よく言うわねー」
「本当だって」
「いいこと、あの子だけはダメだからね」
「分かったよ」
真面目だけが取り柄だった前の夫、大悟に恵美は新婚当初からうんざりしていた。
避妊に失敗し、子どもが出来てしまい嫌々結婚したまでだった。
それに親が資産家と言うのも理由ではあった。
一度たりとも大吾には良くして貰ったことは無い。
いい物を持っていたので期待したにも拘らず、テクニックの欠片すら無く、然も早漏ときていた。
二度と会うものか、そう考えていた時、次ぎの生理が来なかった。
恵理香が生まれて暫くすると、恵美は知り合いの彼だった智也と関係を持つ。
その男はセックスが上手く、毎回良くしてくれた。
智也にとって恵美は、素晴らしい体を持った他所の妻。
只それだけでもそそられた。
会うのが一週間を過ぎる事は結婚するまで一度も無かった。
それ程、恵美の体もセックスの相性も良かった。
しかし、いざ結婚をして恵美が息子を産む頃には、もうそそられる事も無くなった。
そうなると、元来の女好きが頭をもたげて来る。
恵美にはそれが分かってはいたが、40歳を過ぎ三人目は無理だと諦めていた。
そんな時に、事もあろうか娘の恵理香に夫の智也が関心を持ち出した。
日に日に女らしくなる恵理香に嫉妬を覚え、大吾の子と言う以上に敵愾心が沸いても来ていた。
憎たらしい子、どうしてやろうか?
そうよ、智也に遣らせればいい、あの子を困らせてやればいいんだ。
そう結論付けると、見ぬ振りをしようと考えた。
そんな両親の思惑など、13歳の恵理香は知る由も無い。
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