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マッチボックス

2006年03月03日 23:59

昨日のログのタイトルが「バーン・アウト」だったので、突然思い出したんですが、私、昔から、どうしても苦手なことがあるんです。

それは、マッチで火を点けること。

最近、マッチを使う機会もないので、今でも苦手かどうかは確認していませんが、
少なくとも、数年前まではそうでした。

別に、火自体が苦手だと言うわけではありません。

現に、ライターとか、ガスコンロとか、機械で火を点けるのは、全然問題ないんです。

マッチのあの、原始的な仕組みがどうしても苦手なんですよ。

昔は、火のついたマッチを持っているだけで、パニック起こしそうでした。

燃えやすい木の棒を直接手に持ち、しかも、その先に火がついているという危うさ。

万が一手を離して、周囲に燃え移ったりでもしたら、大惨事だという精神的なプレッシャー

指を離すだけで火が消えるライターとは、訳が違います。

あと、火を点けるのがワンタッチじゃないところもダメですね。
マッチって、ちょっとコツがいるじゃないですか。

私の場合、一応、火を点けようという動作はしてみるんですが、
本心では、「本当に火が点いてしまったら怖い。」と言う怯えがあるもんだから、
どこか力が入らないんですね。

それで、その気持ちを見透かされたかのように、いっこうに火がつかないんですよ。

その間、心の中では、二つの意識による葛藤が繰り広げられるわけです。

一つは、「火が怖い、点かないで!」という、火を恐れる防衛本能。
これは、人間がかつて動物だった時の記憶が、今まさに、呼び覚まされているのかもしれません。

もう一つは「いや、それでも私は、火をつけねばならないのだ。」という、人間としての理性と使命感。

なので、私は、マッチに火を点けるというだけで、
いちいち本能と理性が正面衝突を起こして、
自己分裂の危機に陥るわけですよ。

この弱点に気付いたきっかけは、多分、私が小学生の時の誕生日会。
ケーキのロウソクに火を点けようとした時だったでしょうか。

マッチの先に点いた炎は、幼い私には、
まるで赤い悪魔が、その舌で、私の指を舐めんとしているかのように、恐ろしい光景でした。

もう頭の中は混乱状態でした。

そのため、何とかロウソクの火を点け終わり、最後にマッチの火を吹き消そうとしたところ、
せっかく点けたロウソクの火まで、一緒に吹き消してしまうという失敗を
五回は繰り返しました。

泣きそうになる私。

人の気も知らず、笑う両親。

私の指を襲う赤い悪魔

あの光景は、最早、地獄絵図と言っても過言ではありませんでした。

「それなら、マッチじゃなくて、ライターとかで火を点ければ?」と思われるかもしれませんが。

確かに、今なら、それで良いんです。

でも、あれは、私が中学生の時。
私は、二度も、逃れられざる試練に会いました。

一度目は、理科の、アルコールランプに火を点ける授業。

二度目は、同じく理科の、ガスバーナーに火をつける授業。

理科の馬鹿野郎が!

実験では、普通ライターを使いません。

あの時ばかりは、ライターだのチャッカマンだのを使える大人が、心の底から羨ましいと思ったものでした。

今でこそ私は、何だかんだ言い訳して、嫌なことから逃げ出すことが、
最早特技とも言えるぐらいの人間ですが、
当時の私はまだ、物事に真正面から立ち向かう、純粋な中学生でした。

なので、アルコールランプとマッチを差し出す教師から、上手いことを言って逃げ出すような、そんな卑怯な真似はできませんでした。

ていうか、その状況から逃げ出せる、上手いセリフってなんだろう。

「いやあ、私は、アルコールランプに火を点けるのは苦手なんで、遠慮しておきますよ。

誰かのハートに火を点けるのは得意なんですけどね。」

とか?

でも、そんなセリフ
あの頃の、いたいけな中学生だった私に、言えるわけが無いじゃないですか。

尤も、
全然いたいけじゃない24歳になった今でも、そんなセリフ言えませんけどね。

だって、ハートに火を点けるの全然得意じゃないもん。

ていうか、おそらく、これまでの人生で、一度も点けたこと無いもん。

まぁ、そんな暗い過去があったわけですが、
果たして私は、今でもマッチが苦手なのでしょうか?

ここまで文章を考えた時、机の引き出しから、マッチ箱を発見したため、
その疑問を検証してみることにしました。

一本目。

自分では、かなり思い切った動作をしているつもりなのに、
中々火が点きません。

十回以上マッチを箱に擦った後、ようやく点いた。

あれ?案外怖くない。

二本目、三本目と擦ってみましたが、

確かに、火が点くのに時間は掛かるんですけど、
恐怖が全然なくなっている!

火がついた後も、落ち着いて消すことが出来ました。

すごい!
人間って成長するものなんだと感動しました。

そして、六本目。(何本擦る気だよってツッコまないで下さい。)

何と、一発で火が点きました。

イヤッホーーーーーーーッ!!!

もう、大人の階段を一気に二段飛ばしで登ったぐらいの気分でした。

思えば、小学生の時のあの日、
誕生日会でうまく火を点けられなかったあの時からずっと、

マッチを使いこなせるようになった時が、
私が本当に大人になった証だと、
心に決めていたような気がしないでもありません。

しかし、突然、頭から水をかけられたように、冷静な気分になりました。

目の前に転がる無数の燃えかす。

部屋に充満した火薬の匂い。

いい大人が、何やってんだろ。

あと、昨日といい今日といい、ログで「燃焼」をテーマにしているけど、これは、熱い人生を送りたいという、無意識の表れなのでしょうか。

それは良いとしても、明らかに燃える方向が間違っていることに気が付きました。




zekeさん

どうもありがとう!
熱い人間になってみせます。
あと、自分で書いておいて、溶けるということを忘れてました。
燃焼温度には気を付けないと(笑)


ばんちゃん

そうですよね。
店員さんは、あの時の状態に気付いていたのか、いないのか。
掃除は、相手がいいって言っても、自分がよくありません(笑)
さすがに、好きな相手に、全部掃除を任せてしまうのはちょっと気が引けます。

このデジログへのコメント

  • はー 2006年03月04日 00:23

    コメント書くの遅れた(笑)て事で二本立て♪
    いやいやその探求心!燃えてまっせ(マッチ共々)

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