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私は充分幸せでしたよ

2014年02月19日 09:17

アメリカフロリダ州にあるウォルトディズニーワールドリゾートの日本館(ジャパンパビリオン)であった心温まるお話。

私がディズニージャパンパビリオンで接客中のことでした。
80歳くらいの小柄なアメリカ人夫婦が、アクセサリーのショーケースを覗き込んでいました。
ミッキーのTシャツを着た二人は、指輪をつけたり外したりしてはしゃいで、絵に描いたような仲むつまじい夫婦でした。
奥様真珠ネックレスを選んだところで、「よくお似合いですね。記念日か何かですか?」と話しかけてみたのです。
すると、旦那様がにっこり笑って言いました。
「これを買ってやるのに50年かかったんだ」。
夫婦は、若い頃小さなレストランを経営していたそうです。
「小さなレストランでね、女房アップルパイを焼くと村中から人が集まってきたもんだよ。『これを食べないと1日がはじまらないんだ』とか言いながらパイを買って仕事に行くみんなの笑い声が好きでね」。
しかしある時、火事でお店が全焼してしまったそうです。
財産はすべて燃え尽き、その心労から子どもを身ごもっていた奥様流産してしまったと言います。
本当に何もかも失い、1日1日を何とかしのぐような生活。
「何度死のうと思ったことか。でもね、ふとテレビを見てたらディズニーコマーシャルが流れたんだよ。『ここに来れば、幸せになれる』って。だからそれから必死に働いて・・・それで、今日ようやくここに来れたんだ。―火事が起こる前、女房が俺に言ってね。『お金がたまったら、真珠ネックレスがほしい』って。だから、ディズニーに来たら絶対に真珠ネックレスを買おうと思ってたんだよ」。
旦那様は笑いながら話してくれました。
奥様はじっと目を閉じ、ネックレスに手を当てながらその話を聞いていました。
そうして、口を開いたのです。
「私は充分幸せでしたよ。50年間、一度だって後悔したことはありません。子どもはできなかったけど、手も顔もしみだらけだけど。でも、このネックレスに触ってると若い頃に戻ったような気分になれるの。本当に、あなたと一緒に来れてよかった」。

日本人にしかできない「気づかい」の習慣
上田比呂志著
クロスメディアパブリッシングより


素敵なお話です。
それと同時に、色々な事を考えさせられるお話。
お客様は、様々な理由をもって来られている。
実は凄く楽しみしていて、やっとの思いで来てくれたのかもしれない。
記念日かもしれない。
昨日、悲しいことがあったのかもしれない。
そんな様々な理由をもって来られるお客様を、気づかえる人でありたいね

このウラログへのコメント

  • SYUZO- 2014年02月19日 18:05

    夫婦の話は感動的でいい話ですが

    普通の接客としか思えないのですが
    他国の接客を知らないせいかな

  • なな♪ 2014年02月19日 23:19

    SYUZO-さん:どうなんでしょうね

  • なな♪ 2014年02月19日 23:39

    ちっぱーさん:その人にしかわからない大切さってありますよね

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