ＥＤ-25／寂しい毎日

「・・・これで全てです」
「紫野さん、僕はどうすれば良いのでしょう？」
「私も会ってみたいよ、そんな女性と」
「紫野さんでもまだ有りませんか？」
「子宮口に当たるというなら兎も角、中に入って掴まれた何て、そんな経験は無い」
「紫野さんでも、そうですか？」
「でも、というのは止めてくれ」
「いまさら、隠しても仕方が無いでしょう？」
「その話はよそう」
「はい、そうでした」


「話を聞く限りでは、既に結論が出ていると思うけれど」
「女房とは？」
「子供も二人、私なら今まで通りだな」
「育美、いや彼女とは？」
「私なら続ける、勿論」
「そうですよね、紫野さんなら」
「奥さんに申し訳がない、というのが一番の問題だろう？」
「はい、その通りです」
「君は本当に真面目で誠実なんだな」
「そうでしょうか？」


「育美さんがいい事を言っていると思わないか？」
「結婚相手は愛で答える」
「君には、恋で答える・・・死ぬまで恋人」
「はい、確かにその様に言われました」
「金言だな。素晴らしい人だ」
「いいかい、育美さんは君以上に悩んでいるよ」
「友さんがフォローしてあげないと」
「育美が悩む、僕以上に？」
「そうさ」

「育美さんに子供は？」
「大学の男の子が一人です」
「なる程、もう手が掛からないな」
「はい、殆ど帰って来ないと言っています」
「ご主人は？」
「６歳年上の商社マン」
「出張、海外も良く行く？」
「そう言っています」
「その点は私と似ているね」
「はい」
「寂しいな、毎日」
「その通りです」


「結論が出たね」
「続けます。フォローもします。寂しがらせません」
「一番大事な事は？」
「女房は愛情で包みます」
「はい、結構」


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