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成程話:己の品性を高める
2012年12月18日 22:10
伊集院静氏の心に響く言葉より
正岡子規は明治元年に生まれた。
時代が大きく変わろうとする時である。
子規の親友、夏目漱石こと、夏目金之助も同じ年に生まれた。
時代が激しく変わる中で二人は寄席で落語、講談を聴いたり、芝居小屋で浄瑠璃を見て愉しんだりしている。
二人が互いを認めたのは例えば、寄席で落語を聴いていても大声で茶化す等、人の品性の卑しい行為を嫌悪した点である。
もう一点は喀血を若くして経験し、死を自分の生の間近に見た子規と、ノイローゼ気味で初中後(しょつちゅう)体調が良くなかった漱石も己の生涯を考えたからである。
27、8歳の若者がそれをきちんと考えたのである。
サッカーの日本代表がオーストラリアと対戦する試合をテレビで観た。
サッカーは引き分けだったが数人の選手のインタビューを見聞きした。
…ああ、これでは野球は衰退してしまうと思った。
サッカー選手のコメントは日本語がきちんとしており、しかも話の軸が見えた。
酷いのはプロ野球選手である。
なぜそうなったか?
時代と環境にちやほやされたからである。
若い時にそれをされるとよ程性根、己と時代を見る眼がないと置かれた立場に気付かない。
『別れる力』講談社
[粗にして野だが、卑ではない]という言葉がある。元国鉄総裁、石田礼助の国会答弁の時の言葉です。若い時は荒削りで勢いもあり洗練されていない。
しかし、だからと言って下品で卑しくていい訳ではない。真の人格者は知識や頭脳が優秀な人ではなく、品性が磨かれた人。若い時からというのはもう無理でも、今からでも己の品性を高めたい。
このウラログへのコメント
城山三郎氏に「粗にして野だが・・・」の小説が有ります
私は城山三郎氏の愛読者でその言葉も好きです
松山市の河内人さん:そうなんだやっぱり色々読まれてますね
ハートフルけんじさん:ですね。総合的に見てそう感じたのか、余程酷かったのか
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