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CURE キュア

2005年11月08日 06:30

CURE キュア

人の深層心理を扱った作品が好きです
この作品で役所広司が言っていた
「人の気持ちなんか解らないんだよ」
そう、確かに解らないんです

役所広司刑事役で、精神科に通う妻と暮らしています
妻は、おかしな行動を起こすのが常です
夜、空の洗濯機を回したり、晩御飯の食卓にお皿に生肉だけ用意したり、コンビニに行って歯ブラシを大量に買ってそのまま家までの帰り道が判らなくなったり・・・
彼女はそんな自分を判っていません
そして、夫も彼女が解らない
でも、夫は妻を見守りながら、妻も夫を頼りながらなんとか幸せに暮らしています

刑事は、頚動脈から胸にかけて鋭利刃物でX字型に切り裂く手口の連続殺人事件に頭を悩ませていきます
犯人はそれぞれ犯行直後に逮捕されますが、犯人同士を結びつけるものがありません
被害者に共通点もありません
犯人はそれぞれ犯行時を克明に記憶していますが、動機は自身でも曖昧です
刑事精神科医(うじきつよし)は事件を結びつける手がかりを探しますが、捜査は一向に進みません
やがて、病院で記憶障害を持つ若い男(萩原聖人)がみつかります
名前も、住所も、年齢も、自分が何者かも覚えていない男
しかし奇妙な話術で、会話する者を虜にする雰囲気を持っていました

理由の曖昧な殺人記憶障害の男との堂々巡りの会話、妻の行動
そんな人の心が見えない状況に刑事はじりじりと追い詰められていきます
観ている私も、追い詰められてゆき、全ての「?」を知りたくなりました

日本のどこにでもある、雑然と建物が並ぶ灰色の街の湿度を感じる風景の中で、静かな音
それは空の洗濯機が廻る音、室内に聞こえる雨音、雑音なんかが、観ている心に追い討ちをかけるようにチクチクと恐怖が刺さってきます

追い詰められた刑事は次第に想いの全てをぶちまけ、狂気と似た感情になっていきます
そんな彼を落ち着いて見つめる記憶障害の男の態度が更に背筋をゾクゾクさせました

これは、人の心を扱った作品です
どこにでも転がっている
「何を考えているか解らない」
「心が読めない」
「自分の行動に理由がない」
など、日常的に起こりえる恐怖を描いています
淡々とハナシは進んでいきますが、掴み所のない戦慄がちりばめられています

私が、一番怖かったのが、精神科医が、記憶障害の男の事を分析し、彼の正体を、自宅で刑事
「彼は伝道師だ」
と呟いた後、隣の部屋を開けたら壁にXの跡が・・・
「何も覚えていないよぉ!!」
っと精神科医が驚愕するシーン
ミイラ取りがミイラになっちゃったんですねぇ(苦笑)

人っていろんな過去を背負ってそれぞれ生きています
だから、お互いを「知り合う」とか「理解する」って並大抵の事じゃないと思っているんですよ
一緒に暮らして居る夫婦だって、暮らして分った事とか、お互い最近分った事とか、今まで気付かなかった事とか、出てくるってよく聞くんですね
私は結婚した事ないんでヒトから聞いた話なんですけれど・・・
(^^;
それ位、人の心って深いモノだから、時間をかけて知り合う楽しさ、刺激、痛みなんか味わって、自身が成長していけるって思うんですね
だから、こう言う人の深層心理を扱った作品も、私の大好物です
(*^^*)

「CURE」は真剣に観ればホントに良く出来た作品だと思います
私、これも10代後半に観たんですけれど、今だ、鮮明に覚えています
静かに進んで、パッと終わるんですけれど衝撃は忘れられないです

このデジログへのコメント

  • 吉☆ 2005年11月21日 05:57

    私も深層心理を扱った作品が好き。家の洗濯機は空回りができないけれど…あなたのログを全て読むには時間が

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