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【魔法少女っ】61-1、明かされる、アドルフの過去。

2012年02月22日 20:57

「そのドイツは今現在のドイツではありませんわ」

「どういう事?」
首を傾げる小春
「茜さんが夢で見たドイツは今現在の、平成のドイツとは限らないですわ。過去のドイツですわ」

「アドルフさんは二十歳くらいのひとですから、逆算しても平成だと思うですっ」
千歳も茜も正論だ。
「ところが単純計算の一筋縄でいかないのが、ネオバビロニアワッフルと願いのチカラですわ」
「どゆこと?」
益々首を傾げる小春
すごろくに例えれば、一気にゴール手前や振り出し付近に飛ぶワープポイント。その可能性が願いのチカラにはありますわ」
「もうひとつ可能性はあるよ!」
傾げた首を真っ直ぐにもどして小春は言う。
「リインカーネーション!」
「私達の変身の呪文ですかっ?」
いや、本来の意味だ。
「生まれ変わり。つまり茜が夢で会ったのは前世のアドルフだよ」
輪廻転生ですわね。しかし、元来そういうのは記憶と人格を引き継ぎませんわ」
「そうとは限らないよっ。きっと、根っこで繋がってるよ」
「でも……」
「羽前さん。一時間目始まりますよ」
茜の担任に肩を叩かれる千歳
「わっ。失礼しますわ」
議論が白熱して時間を忘れていた。


図書館
「あら」
茜は麻衣子とかち合った。
「珍しいわね、茜」
「何してるですかっ?」
演劇の資料集めよ」
麻衣子は様々な国の風景解説資料を机に並べていた。
「わたしは演技者だけれど、背景や衣装の知識も今のうちに入れておきたいのよ」
「そうなんですか」
演技者は演技だけを極めたらいいのに。
「そうすることで演技にも深みが出てくるのよ。料理で言うと出汁の旨味みたいなものかしら。何よりも、楽しいのよ」
麻衣子ドイツの本を広げてみた。
茜の見た風景が広がる。
「この街並み、美しいわね。いろんな物語が生まれそうね」
しかしよくみると、茜の見た風景より渋味があった。それは建物の材質の経年劣化によるものだった。
「この街並みは戦前より前に作られたものなのよ。すごいわよね」
「はい。凄かったですっ!」
「まるで見てきたみたいね。くふふ」
麻衣子は本を読み進める。
「ところで、茜はなんの本を探しに?」
「はいっ。ドイツの本ですっ」
ドイツ?」
「いや、観光の本でいいんですけどねっ」
「くふふ。アドルフの事を知りたくなったのね」
「どうしてそれを」
「アドルフってのはドイツ的な名前よ。中東のモハメッド、北朝鮮のキム、蒙古のハン、中国のソン、山形のサイトウみたいにね」
どれも共産主義独裁国家に見えるが気にするな。
「案の定、アドルフさんはドイツのひとでしたが」
「へえ」
麻衣子ドイツの風景の本をなんぺーじもめくった。

その夜。
茜は寝る前に一枚の写真を枕元に置いた。

演劇部でみんなで撮ったスナップ写真
茜、小春千歳麻衣子。それだけでなくお菓子差し入れにきた琴。その匂いに釣られた有希も写っている。

あわよくば、夢に小春たちが参加できるように。

続く!

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