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【魔法少女っ】60-5、アドルフに告ぐ。

2012年02月21日 21:41

タイトルは特に関係なくない。
貧乏屋敷だが、東洋人にはなんでも新鮮なようだな?」

アドルフの家は、町外れの、自然と調和したところにあった。
そこでアドルフを出迎えた「家族」とは……。

「おかえりなさい。お兄ちゃん♪」
茜とそっくりの少女だった。茜はツインテールで、彼女ストレートロングだが、顔立ちは瓜二つだ。
「えへへ。お兄ちゃん抱っこ~」
しかし性格は似てないようだ。
「こらこら。人目があるんだ。抑えなさい」
ぞっと頭を撫でて、アドルフは言った。
「あ。お客様?……ようこそ」
冷静だがいやみのない応対で茜を迎える。彼女も驚いているが、そこは話題に絡めない。
「妹だ」
「ステファン・エヴァンジェリンヒットラーです。宜しくお知り置きを」
清澄茜ですっ。日本から来たですっ」
「まあ!極東から!素敵な国ですよね。行ってみたいなぁ」
「行ってみます~?魔法で連れてってあげますよっ……あ」
千歳いないんだった。
魔法?…クスクス面白いひとですね」
茜と妹は打ち解けた。

「でも、お兄ちゃんはあげないよ」
悪戯な笑み。
「え~。くださいですっ」
冗談を言って談笑する茜と妹。
「ときに、茜ちんは今夜はどこに泊まるん?」
「ぶらぁり旅だから、まだ決めてないですっ」
どうせ夢なんで、野宿でも問題はないだろう。
「じゃあうちに泊まってって日本の話。いっぱい聴かせて欲しいんだ」
「それはいい提案だな。そうすると良い」
「お兄ちゃんも鼻の下伸ばしてるしね」

結局その夜は妹とおしゃべりしてて……。


「寝てないですっ。ステファン!」
がばっ。
清澄邸。
時計は6時30分。
傍らにはドラゴンなアドルフさん。
「ぴ!(ステファン?なんか覚えのあるようなないような)」
ぱたぱたぱたぱた。
落ち着かない様子で部屋を飛び回る。
程なくして蛍光灯にぶつかり墜落。


へぇ。不思議な夢だね」
学校で一番に小春に話した。
「いいなぁ。あたしも夢で兄さんに逢いたいよ」
「ん?」
別にステファンと秋紀は関係ないと思う茜だったが。
「現実で逢えないならば、夢で逢いたいよ」
ニコニコする小春
しかし、それではステファンが故人みたいじゃないか。

「故人だよ、多分」
呟いてから、
「あたしも茜の夢へ行けたらなぁ」
と結ぶ。

「おはようございますわ!」
そこへ千歳が来た。
キタードイツへ飛ぶですっ!」
取り乱し、千歳をもみくちゃにする茜。
「わわわ!落ち着いてくださいですわ!」

かくかくしかじか


「不可能ですわ!」
ばっさり切り捨てられた茜。
金持ちケチですっ!」
やれやれという表情の千歳
「そのドイツは今現在のドイツではありませんわ」


続く!

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