デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

成程話:人は軽きがよし

2015年06月26日 23:49

五木寛之氏の心に響く言葉

十五世紀の宗教家に、蓮如(れんにょ)という人がいました。
宗門のなかでは親鸞とならぶほど大事にされているのですが、学者評論家にはめっぽう評判がわるい。
その功罪はともかくとして、蓮如おもしろいことを言う人でした。
「人は慣れると手ですることを足でするようになる」などという言葉には、思わず笑ってしまいます。
私はサル年で、足が器用なものですから、つい足をつかう。
床に落ちている十円玉を足指でつまみあげるのは、今でも得意です。
しかし、蓮如の言葉を知ってから、なんとなく躊躇するところがある。
「人は軽(かろ)きがよき」などという文句は、この国でそうざらに耳にすることのできる文句ではないと思います。
蓮如はまた、「しゃべれ、しゃべれ」と、人びとにすすめている。
地主も、武士も、農夫も、関係ない。
集まってどんどん議論せよ、と言うのです。
「しゃべらぬ者は、おそろしき」とさえ言っている。
政治家も、学者も、作家も、俳優も、アスリートも、みんな軽くなった、と嘆く人がいます。
軽佻浮薄(けいちょうふはく)の世の中、などといわれながらも、実際には軽いことはマイナス評価なのです。
私は軽く年をとっていきたいと、かねがね考えてきました。
まあ、軽薄な老人、というのは、あまり格好のいいものではありません。
ときには、周囲をうんざりさせる存在かもしれない。
しかし、これから「団塊の世代」が雪崩をうって高齢化していくのです。
国民高齢化の時代とは、この国がいまだに体験したことのない未知の世界です。
いま五十歳のビジネスマンは、あと五十年生きなければならないかもしれない。
その後半戦をどう生き抜いていくか。
長く生きるということは、一つの重圧でもあります。
経済と体力と、両方の面でさまざまな困難とむきあうことになる。
しかし、できれば沈鬱に老いていくことはさけたいと思う。

『好運の条件』新潮新書


「真剣と深刻とは違う。悲劇の主人公のような生き方は真剣とは言わない。
真剣というのは、もっと軽いものである。真剣になればなるほど軽くなれる。
『軽さ』の頭に「あ」をつければ「明るさ」になる。
真剣な人は「明るい人」である。眉間に皺を寄せて深刻に生きている人は、実は一番真剣に生きていないのではないか」
(感奮語録・行徳哲男)より

軽く、明るく生きている人は、実は真剣に生きている。
眉間に皺を寄せ、深刻そうに生きている人は、嘘っぽい。
困難であればあるほど、難しければ難しいほど…
かろやかに、明るく、そして、「軽く」生きていきたいな。

このウラログへのコメント

  • SYUZO- 2015年06月27日 01:33

    真剣と深刻の違いか
    なるほどだけど
    回りにわかってもらえない感はありますね
    ( ̄▽ ̄;)

  • なな♪ 2015年06月27日 01:37

    SYUZO-さん:自分じゃないとわからないものありますよね

  • トキオ♪ 2015年07月01日 00:55

    悩むな思考を巡らせろ

    タイガーウッズの言葉ですが

    これに軽さを付け加えてみます(^o^)

  • なな♪ 2015年07月03日 23:48

    とららさん:お返事遅くなりましたログ書く以外最近何もできてない気がする

  • なな♪ 2015年07月03日 23:55

    一期一会!さん:さすが読書家(*^^*)

  • なな♪ 2015年07月03日 23:57

    克己さん:私もそうなりたいです。今はまだそこまで浮上できてないけれど

  • なな♪ 2015年07月04日 00:31

    トキオさん:素敵だと思います(*^^*)

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

なな♪

  • メールを送信する

なな♪さんの最近のウラログ

<2015年06月>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30