書籍:カイジ「どん底からはいあがる生き方」の話

■カイジ どん底からはいあがる生き方の話
■木暮太一(著）

人気「カイジ」シリーズの第3弾は「生き方」の話です。
数年前から日本の社会は階級制度のない自由な世の中に成り始めました。
平等で、自由な社会になったのです。
でも、自分の無力感・無能感を強く感じている人が少なくないと思います。
これは、外部からのイメージ付けのせいと本書では述べていますが、まさにそうです。
息苦しい社会、これは思い込みもあります。
その思い込みを払しょくするにはどうしたらいいか、「考え方」「生き方」に触れているのが本書です。
それでは特に参考になった話を自分の見解とともに紹介します。

●失敗しても元に戻るだけです。
日本では減点主義が主流になっています。だから減点を恐れてしまう方が多いのですが、減点を恐れると、チャレンジすることで得られるプラスの側面ではなく、失敗して失うマイナスの側面ばかりに目が行きます。何も失わないように、静かに、そーっと生きるようになるのです。減点を恐れて何もしないと、現状維持ではなく、退化が進みます。日々、環境は変化しているからです。加点思考でいきたいものです。
●人脈をつくるために必要なのは。自分を高めることです。
人脈は、自分が知り合いを増やすという観点ではなく、「相手が自分に一目置く」という状態を目指して初めて形成されるのです。
人脈をつくるのではなく、「相手を惹きつける」という視点を持たなければいけません。相手が自分に勝ちを感じてくれれば、必然的に自分の周りに人は集まるようになってきます。
以前の私は、異業種交流会にたくさん参加していました。
でも、特徴も貢献度もあまりなく、人から覚えてもらえませんでした。よって、何度も同じ人と名刺交換をしていました。
当時は「なぜ、この人は私のことを覚えていないのか？」と憤っていましたが、今考えると恥ずかしいものです。
ただ、私が相手にとって役立つ存在ではなかったからです。「相手に役に立つ存在になる」、これは大事ですが、誤読の可能性もあります。
この本ではそこにフォーカスされています。
「相手に役立つ」≠「相手を優先する」
この2つは違います。
相手に役立つのはいいですが、相手を優先するのはあまりよくありません。
なぜなら、自分自身の心が満たされているのならいいですが、そうでない場合、他の人の心を満たすことなどできないからです。
「自分も大変なのに、あなたのためにやってあげる」と感じるようになり、相手がそれを感じとってしまうからです。
まずは自分の心を満たすことを優先させましょう。
●人が人生を変えるために、真っ先に考えなければいけないことは、「みんなと一緒でいたいと願う気持ちを捨てる」ということなのかもしれません。
「他人と違う道を歩む勇気を持て」ではなく、もっと根本的な部分、つまり「他人と同意見でありたいと思う感情を捨てろ」と言わなければいけません。
「変だと思われるかもしれない」と不安になるかもしれません。
でも”変”でいいんです。変わっていなければ、人と違うところがなければ、その他大勢と比べて逸脱していなければ、生き残っていかれないのです。
●自分の居場所は複数持ちましょう。
ブラック企業の従業員たちの多くは、自分の居場所はここにしかないと思っています。
だから、リスクをとれず、言いなりになってしまうんです。
自分が居場所を複数確保しておけば、自分の気持ちが変わり、余裕を持つことができ、窮屈にならないようにできます。
たとえば社会人サークルや勉強会コミュニティに入るのもいいでしょう。
居場所を複数持っておけば、自信を回復することができる、自分の強みに再度気づくことができるなどのメリットもあります。