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山里

2011年11月03日 09:33

オレは郊外に別荘がある、別荘というと大げさだが、ま、倉庫と山荘の中間の作業小屋だな。アジトといってもいい。


暑いときはそこに非難する。玄関でロッキングチェアを持ち出してうたた寝する。

そこにたびたびハクビジンが出没する。狸に似て畑の野菜にいたずるするあれだな。大都会にも出没するようだ。

隣の農家のおやじスイカトウモロコシを食い荒らされ困る、と息巻いている。保護獣だから簡単に殺せない。まあ、言ってみればサルみたいなもんだな。

どういうわけかこのハクビジン、オレがロッキングチェでうたた寝しているとき、親子連れでオレの目の前を列を連ねて通っていく。距離にして2mかな。

そして、けなげにも会釈するのだ。親だけでなく子小どもまでだ。オレは思ったもんだ、ずいぶん躾がいいもんだなと。

で、例によって女とハメているときがある。

たまたま、例のハクビジンがはめているオレの前を通っていく、もちろん子連れだ。親1匹、子3匹かな。

女はハクビジンに背中を向けて、イイー、イイー と騒いでいる。オレはケツを持って女をゆすっている。いいー。イイー、モットー。

ハクビジンは次々会釈して通っていく。

もちろん、オレは挨拶されたら無視するほどバカでない、きちんと挨拶は返す。

ハクビジンに挨拶された女はそれどころじゃない、イッー、いっ-、モットオー、ヤメナイデー、イジワルーと盛んに騒いでいる。

女からの挨拶を待っていたハクビジンも、とうとう去って行ったな。
 
コトを終えたところに、例のハクビジンが帰ってきた、親子連れでな。

女はハクビジンがなんであるかは知らない。

まあ、かわいい。

ハクビジンはプイッと去って行ったな。

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