●石とダイヤモンド

『今日、ひま？』Kから突然のTEL。『zzさん、Kに付き合ってよ！』・・こう云う時は大概、大愚痴大会なのです。まったく、迷惑なやつです。



『Fくんも声掛けとく？ 』『あいつはイイの！　じゃあ、私がそっち行くから・・』・・ハイハイ・・と云うわけで、Kがやって来ました。やれやれ、また、Kの愚痴聞く役目か・・



Kの愚痴は、会社の上司から始まって、母親、Fくんのこと、私のこと・・そして遂に・・



私さァ・・Sさんみたいに頭良いわけじゃないし・・Yさんみたいに自立もしてないし・・Tちゃんみたいなパワーもないし・・この頃・・なんか不安で・・・どうせ私なんかダメだって判ってるけど・・的な自分の愚痴。これが・・えんえんと続くのです。辟易しながら聞いていると、ポケットの中に、なにやら堅いものがあります。取り出してみると、先日、多摩川の河原で拾った石。




『なに？それ？』『石だよ。』『珍しいの？』『いや、ただの、多摩川で拾った石』



Kちゃんさ、石って、どこにでもあるよね。・・・だけど、『この石』は、今、ここにしか無いんだよ。つまり、ただの石だけど・・存在としては・・全宇宙で、唯一無二。そう考えると、『この石』、まんざらでも無いでしょ。モノの価値って、観点で違ってくるんだよ。例えば、向かいの宝石店にあるダイヤとこの石・・どちらの方が価値がある？



『ダイヤ！』『普通はそうだな・・と云うか、金銭的価値はダイヤだろうな。』



でもね、金銭的に安いから価値がある・・って利用の仕方もあるし、少なくとも、大きさは『この石』が圧倒的だよ。この石に大きさで勝てるダイヤは・・『アフリカの星』（エリザベス女王の王冠についているデカいやつ）位かァ。



私としては、なにかが出来ることと、なにかが出来ないことは、実は同じ価値で、そのことを個性と云うのだ・・・なんてことを云いたかったのですが・・。Kは、石は嫌で、やっぱりダイヤだそうです。つまらないやつ！



Kにとっては、多分、愚痴大会はリフレッシュの一貫で、喋る相手は、誰でも良いのでしょうが・・相手が私だと、

1）気を遣わずガンガン、グチれる。　2）適度に慰めてくれるし、甘えても平気。　3）お金がかからない・・うまくすれば何か欲しいものを買ってもらえる。

・・など、利点が多いそうで・・K！おれのことなめてる？・・と云いたくなる始末です。