【実録恐怖体験！／本当にあった、怒るラーメン屋５】

【実録恐怖体験！／本当にあった、怒るラーメン屋５】


★本作品は、実在する中華料理店に実際にお客として潜入したもので、

会話もすべてそのままに、恐怖度を（笑）盛り上げています。

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★前回までのあらすじ

ラーメン屋に入った私は、ライスないよっ！の言葉に動揺してしまい、しどろもどろ。

注文も噛んでしまいオヤジににらまれる。そんなとき、また一人お客がやってきて・・・

ライスがないと言ってるのに・・・・・

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「ライスないけど、いい？」

「あっ・・・・、ああ、、はい」

そしてしばらくリーマンはメニューを眺めていたが、ふっと顔を上げ、

後ろ向きのオヤジに向かって、中間管理職の威厳を保ちながら、

たくましい口調で、目をランランと輝かせながら、ひときわ大きな声で言い放った。



　　　　　　　【中華丼っっ！！！！！】


プハッと矢野君が吹いている！！

私も心の中で叫ぶっ！「オマエ、四捨五入するとバカだろ？？？w」

リーマンの客は矢野君の笑いには気づいていない。


・・・・・しかし無理もなかった。哀れだった。

きっと、ライス＝白飯＝定食もの、と勘違いしたのだ。

そのときだった！！！

オヤジがものすごい剣幕でまくし立てたっ！！！






「ご飯ないって、言ったじゃんっっ！！！！！」

って、「じゃん」かよ、客に向かって「じゃんっっ」・・・・・。。（笑）

吠えまくるオヤジにびっくりした中年リーマンは

「あっ！ああ、すみません！あっとそれじゃあ・・・」

狼狽した客は、そそくさとメニューを手に取り流し読み。


「ラーメンとチャー・・・、あ、ギョーザセット！！」

・・・・かわいそうなお客だ。

この人、どうしてもご飯ものが食べたかったんだろうな、と思うと涙を禁じえない。

いやいや、危なかった。

チャーハン！！なんて言ってたら殺されていたかもしれない。

緊張の糸が高まる中、やおら矢野君が少々カン高い声で私をアオる。

「本当にもやしラーメンだけでいいんですねっ！」

「え？あ、ああ・・。いいよ、それだけで・・・・」

「もう後で注文できませんよっ？！」今度は低く、絞り出すような声でささやく。

オマエはアニメの声優かよっ！！！（笑）



「あっ、いや、ビールも頼めばよかったかなあ・・・」

「もう無理ですよ、ビール瓶で殴られますよ、しかも入ってるやつで」クククと矢野君が笑う。

程なく１５分程度で、もやし、チンヂャオと出来上がって矢野君も上機嫌だ。

「やぁ、今日はスゲェ早いやっ！！」

少年のような、屈託のない笑顔を見せて私もつられて笑う。

ここはマックかよww



しかしその私の天使のような笑顔も、もやしラーメンを見た次の瞬間、

氷の微笑に変わった！！！






【ゆ、指入りラーメンっっ！！！！】

どんぶりのフチに、親指がどっぷり入っていた。

「熱くねーのかよっ！いやそんなラーメン、コッチが熱いよっ!」と、心で突っ込む。

頭が真っ白になっている私に、

「しゃべっちゃダメですよ、大きな声で」と私の動揺を見透かしたように矢野君が制する。

「な、なんで・・？」

私は指入りラーメンの衝撃に、そう答えるのが精一杯。

「そろそろ野球の序盤情報なんですよ、めったに中継しないから。。ホラ見てるでしょ？」

確かにオヤジが奥のテレビに釘付けになって見ている様子が手に取れる。




その時だった！

「すんませ～～ん！」

うわっ！と私は小声で叫んだ。

ま、まさか水のお代わりじゃないだろうな・・・。。

先に来ていた若い男性だ。どうやら会計のようだった。

オヤジはチラッと振り返り、いまいましそうな顔で腰を上げる。

男性は千円札を手に待っている。




オヤジは無言でカネを受け取り無言で釣りを返す。

麻薬取引やってんじゃねえんだから何かしゃべれよっっ！！！（笑）

若いサラリーマンは、「ごっそさん！」と言って帰っていった。

オヤジは特に何も返さない。


「ふぅ～～」 私は安堵のため息を交えながら

指入りもやしラーメンを食べる。普通の味だ（笑）

さあ、そろそろ冒険の時間も終わりかな・・。

と、思いきや、またしても命知らずな客がガラガラガラッと扉を開けて入ってきた。


「う？お、女？？？？、アベックか！！」 私はにわかにイヤな予感がした。

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★次回、怒るラーメン屋６●最終回●　をお楽しみに。。。。