- 名前
- banana_record
- 性別
- ♂
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 人の話を聞く選手権県大会3位の実力です。聞こうじゃないですか。
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ジャンゴ
2006年10月04日 01:34
会社にちょっと気の合う女性の同僚がいた。僕と同じ歳で、ものすごくサバサバしていて、失礼を承知で言うと、一緒にいても女性という印象をあまり受けなかった。
以前、僕が仕事で厄介な失敗をしたときに、彼女が取った行動のお陰で最悪の事態を回避できた。そのお礼をしたいと言うと、「別にいいから」と笑って応えた。それじゃあこっちの気がおさまらないと言うと、「じゃあ、前からやってみたかったことがあるから、それに付き合って」と言った。それは何だと尋ねると、「日曜の昼間から鎌倉で飲んだくれたい」と彼女は言った。
何だそれ、と思った。でも面白そうなので了解した。
ちなみにこれは10年くらい前の話。
日曜日の鎌倉は想像していた通り混雑していた。午後1時、JR鎌倉駅の前で彼女と待ち合わせた。会社で毎日のように顔を会わせてるのに、こうやって休みの日に外で会うのは何か不思議な感覚だった。ちょっとだけだが緊張もしていた。
約束の時間より10分くらい遅れて彼女は改札から出てきた。僕を見つけると人にぶつかりそうになりながら手を振って走ってきた。
「じゃ飲み行こう」と言って彼女は先に歩き出した。遅れたことに対しての謝罪もなかった。僕は彼女の後を付いて行った。彼女の足取りは、既に目的地が決定しているかのように確かなものだった。
どこで飲むのか、と歩きながら僕は尋ねた。彼女は「ミルクホール」と即答した。
「ミルクホール」は、鎌倉の小町通りのさらに1本奥の路地にある喫茶店というかレストランというかバーというか、そういう店だ。店内は板張りの床と骨董の家具やインテリアで大正時代の雰囲気に満ちている。古いジャズが流れていて、客のほとんどがカップルで、カップルのほとんどが小さな声でささやき合っている。ずいぶん前に一度だけ入ったことがあるけど、少々肩が凝った記憶がある。
小町通りの人の波をなんとか避けながら、僕たちは「ミルクホール」目指して歩いた。途中の煎餅屋で焼き立ての煎餅を買って食べた。僕のは普通の醤油煎餅で、彼女のは暴力的なほど唐辛子が乗った煎餅だった。半分くらい食べて根を上げた彼女は、取り替えて欲しいと僕に言ってきた。冗談じゃないと思って断ったけど、結局は根負けして交換することになった。でも僕は2口くらいで舌が痺れてギブアップした。これ以上は無理と思って唐辛子煎餅を捨てようとしたら、もったいないと彼女に注意された。で、醤油煎餅を食べた後、結局は彼女がそれも食べた。
(たぶん続く)
DJANGO/MJQ
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