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【魔法少女っ】23-2、ぴよぴよの憂鬱

2011年07月29日 20:15

「それにしても」
7月のとある放課後
「ごちゃごちゃしてきました」
麻衣子は部室を見回して溜め息をついた。
茜達がネオバビロニアの手先達と闘ってきた際の戦利品の山。大半が動物のぬいぐるみだが、中にはアイロンクリーナーなど、家電製品もある。
「ぴよぴ~よ!」
「きゃあ」
ぬいぐるみのひとつが動いて鳴いた。ドラゴンぬいぐるみだ……そうじゃなくて、アドルフのなれの果てだった。
「ぴよぴよぴよぴよぴよぴよ」
「ごめんなさい。何を言ってるかわかりません」
「ぴよ~」
アドルフはしゅんとした。
「こんにちは!」
茜が部室に入ってきた。
「ぴよ~」
アドルフが茜の胸に飛び込んだ。
「いいこにしてましたか?よしよしです~」
なでなでする茜。なんか親子かペット飼い主みたいに見えるが、茜にとっては「バカップルのいちゃつき」なんだそうだ。
「いちゃついてるところ申し訳ないのですが、今日は部室の片付けをしませんか」
「はい、麻衣子先輩」
「まず、私物は自宅に持って帰りましょう」
麻衣子ぬいぐるみの山を指して言った。
「でもこんなにたくさんのぬいぐるみ。持ち運び難しいです~」
「誰のせいで貯まったんでしょ~」
「ぴよっ」
お前のせいだと言われて恐縮するアドルフは一枚の白いカードを出した。
「ん?なんですか?」
「ぴよぴよぴよぴ~よ」
何を言ってるかわからない。
かきかきかきかき……
「ますますわからないです~」
筆談での伝達を試みるが、アドルフの言語ドイツ語だった。
……
「悪しき願いを祓われたネガイナーカードの残りかす」
だとわかった。
「ぴよぴより♪」
アドルフが念じると、ぬいぐるみの山はカードの中に吸い込まれていった。
収録内容の絵がカードに表示される。
「便利なカードですね」
「ぴよぴよ!」
胸をはるアドルフ。
「アドルフさん、偉いえら~い」
なでなで…
「いちゃつくなっ」
「すいません、マーガレット姉様」
役名で呼ぶ茜。ちなみに茜はジョー、千歳エリザベス小春がエイミーだ。
「この調子で片付けましょう」

続く!

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