【魔法少女っ】22-2、遠距離同時変身【言えるかー】

「アイロンアイロン」
トータクのさしむけた、スチームアイロンネガイナーの猛攻がまだ変身してない千歳を襲う。
千歳は車椅子を駆使して敵のスチーム攻撃をかわすが、やはりいつまでもかわしつづけるのは無理がある。

「お前が闘いたくなくとも、俺には闘う理由がある。行くぞ！」
アドルフは例の絵画に黒いネガイナーカードを張り付けて念じた。
「出でよ！ネガイナー！！」
ずぎゃあああん
「ゲルニカ～！！」
なんと、絵画は巨大戦艦に変形してしまった。
「どうして絵画が戦艦になっちゃうです～？」
茜には納得できなかった。
「恐らく、絵画ではなく、絵画に使われたキャンバスの材質にある木材部分に反応したのかもしれませんね。例えば、その材質は戦艦の素材だったとか」
麻衣子が推察した。
「娘、なかなかやるな。ほぼ正解だ。これはかつての戦艦ゲルニカ号の甲板材を流用したものだ」
だが意味合いはそれだけでないぞと顔で言い、戦艦の上に飛び乗り、出入り口を開いた。
「ゲルニカ～！」
「こいつは戦闘用ではない。単なるバトルフィールドだ。さあ来い！カーマインよ」
アドルフは甲板の上で剣を抜いて、待ち受けた。
「わかりました……」

「はいりはいりふれはいりふろ～！はいりはいりふれほっほ～」
「ちぃさくなれよ～」
遠近法でちぃさく見える麻衣子が叫ぶ。
「とおっ！」

その時、偶然にも茜、小春、千歳が同時に変身モーションを行っていた。
全く違う場所で。
「星ぼしを繋ぐ橋。夜空の魔法少女、コバルト！」
「優しくも激しい大自然。深緑の魔法少女、デイトナ！」
「茜色に染まる風。夕陽の魔法少女、カーマイン！」
「まじかる・スターライト！」

「行くぞ！アウシュビッツソード！」
「受けて立ちます！カーマインタクト」
戦艦の甲板の上、二者が剣を手に対峙する。
「あの～。私はどうすれば」
その緊張感を破壊する麻衣子だった。

続く！