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冬の彼方へーーー二人と一人5

2015年02月16日 03:00

「じゃあもうそろそろこのくらいにしようか?
明日もまだあることだし、何しろマドンナ美紅さんに無事帰ってもらわないとな。
もっと飲みたい気分だけど、まだ新年会もあるし。
まあまあ今日は二人ともお疲れさん!」
田村はそう言うとテーブル横に下げてあった伝票を取りレジへと向かおうとした。
「あ!課長、払いますよ、自分の分は!」慌てて東澤が追うと、
「いい、いい、今日は俺の奢り!楽しい酒だった!
それにここはいつも良心的な安さだから、気にすんなって!
その代わり明日からまたバリバリ仕事してもらうからさ!」
「良いんですか?課長…すみません…!
でも…それなら今日は遠慮無くご馳走になっちゃおうかな?
本当に良いんですか?」美紅が聞く。
「良いんですか?何か怖いですね…明日からこき使われたら…!」東澤も遠慮がちに言うが、
「いいのいいの、おごられちゃっていいの!」田村はご機嫌で強引に会計を済ませてしまったので、
もはや美紅も東澤もありがたくご馳走になったのだった。

「美紅さんは俺とは反対方向だから、東澤君、美紅さんを頼むよ!
じゃあ明日、仕事頑張ってもらうから!」駅の改札で田村が言う。
「あ…はい、もちろんですよ!課長大分飲まれましたから気をつけて帰ってくださいよ!
美紅さんは途中まで方向同じなんで大丈夫です、お任せください…!」東澤が答える。
課長、ご馳走様でした!明日頑張りますから!おやすみなさい!」美紅も挨拶をした。

東澤と美紅は途中乗り換えまで電車の方向が同じだ。
ホームを挟んで田村を見送ると、間もなく来た電車に二人は乗り込んだ。
如月さん!ちょっと俺、何だか歌いたい気分になって来ました!
今から少しだけつきあってもらえませんか!?
ストレスたまってシャウトしたい気分…次の駅の所によく行くカラオケがあるんですけど、
一人じゃ寂しいし、一緒にうたいません!?」
東澤がおもむろに聞いてきた。ほろ酔いで無邪気な青年の一面が垣間見える。
美紅は時計に目をやる…10時半か…ちょっとだけなら…
「うーん、そうだな…2~3曲位ならいいけど、それ以上は時間厳しいけど…」と美紅。
「十分です!いいですか?それなら次で降りて一緒にお願いします!」
東澤は嬉しそうに言った。

このウラログへのコメント

  • けろ 2015年02月16日 06:59

    30分って厳しいけど、気持ちわかります。それが一時間になり、ギリギリちょっとだけ何かできそうですね。

  • ジョシュア 2015年02月16日 07:39

    > けろさん

    はい!ギリギリ何かしちゃいますよ~(≧∇≦)

  • よし55 2015年02月16日 12:31

    カラオケでの展開ですね。
    酔った二人、暗がりの密室ですね。(^_^;)

  • ジョシュア 2015年02月16日 12:40

    > よし55さん

    そう、密室ですよ(^_^)
    妄想しちゃってます(≧∇≦)

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