書籍:宝くじで1億円当たった人の末路

宝くじ買ったことはないけど興味深いタイトルだったので(^^)


今日の紹介は、鈴木信行氏の著書です。


■宝くじで1億円当たった人の末路
■鈴木 信行（著）

本書は日経ビジネス副編集長が、日経ビジネスオンラインに掲載した専門家へのインタビューを加筆・修正したものです。
非常に興味深いタイトルで、手に取ってみました。
本書は、「同調圧力」に悩む人にはおススメです。
「何をする」より「何をしてはいけない」ばかりが優先される。そういうのって息苦しいものだったりしますよね。
本書はそんな「同調圧力」に悩んでいらっしゃる方には特におススメだと思います。

それでは特に参考になった話を紹介していきます。


●日本人は「孤独は寂しい、良くない」と考え、とかく群れたがる傾向が強い。
そんな見解を持つ人も少なくないようです。
仮にそうだとすれば、その理由はどこにあるのでしょう。
背景には、日本という国全体を覆う「何事も目立たず、周囲と同じことをしなければならない」という同調圧力があるのだと思います。
この国では、多くの人が「友達集団や職場集団の構成員と同じ価値観の下、同じ行動をしなければ安定した生活を送れない」と思い込んでいる。
そう考える人にとっては、「周りと群れて、つるみ、同じことをすること」が安全な選択なんです。
なぜ日本社会は、そこまで強い同調圧力が存在するのですか。
最大の理由の1つは、多くの人が小学校高学年から中学校にかけて体験する集団生活にあると、私は考えています。
あの時代、クラスの中はいくつかの”排他的集団”に分かれ、子どもたちはいずれかの組織に属さなければ平和な学校生活を送れません。
そして、安定して集団に属するためには、とにかく「周りと同じであること」が要求される。
「周りと違うと、どんなひどい目に遭うか」、この時期に多くの人は、無意識のうちに体に叩き込まれて青年期を迎えるんです。
それでしたら、身に覚えがある人もいると思います。
「同調圧力」は、教師や親からも日常的にかけられ、口では「個性を磨け」とか「オンリーワンを目指せ」と言いながら、本当に目立てば確実に良からぬことができる。
（P55～56　引用）
日本人に多い同調圧力は、いつから生まれるのか、非常に興味深い内容になっています。
時代は変化し、少品種大量生産社会から多品種少量生産社会へとなってきている中で、極端な言い方をすると「同調圧力」は、クリエイティブ力を落としてしまう気がします。
面白いアイデアがあるんだけど、否定されたら怖いから言うのは止めよう。
このように思ってしまう要因の大きな要素を占めるのが「同調圧力」です。

関連して、P63に興味深い話が出ています。
以下、引用になります。
日本人の”群れたがり気質”は、実は経済を活性化していく上でも少なからぬ重石になっています。
1企業当たり年間30万時間。
これが何の数字かお分かりでしょうか。
ある大企業で、週1回の経営会議のために、経営陣と全従業員が費やしている”不必要な打ち合わせ””ムダな会議”の合計時間です。
この数字がどれだけ異常化は、世界の先進企業と比較すると一目瞭然です。
例えば米グーグル。
OBによると、開発部隊でチーム全員が集まる会議は四半期に2回だけ（1回1時間とすれば年8時間）だそうです。
日本の大企業社員が、いかに上から下まで「会議」「打ち合わせ」と称して群れること（責任を分散すること）が好きかよくわかると思います。
（P63　引用）
「同調圧力」から完全に逃れるのは、所属している組織の関係上、難しいかもしれません。
しかし、必要以上に「同調圧力」を感じて、会議などで何も意見を出せない、仕事で新しいことができないと、現代のような変化が激しい時代では、厳しい状態になっています。
ここまでは合わせるけど、ここからは断るようにするなど、違ったことをする勇気が必要ですね。
リーダーの方は、必要以上に部下に同調圧力を与えないように注意しましょう。

●威厳を出した目に、無理に迫力を出そうとしている管理職の方の末路は、以下の通りです。
1．顔のたるみが目立つようになり、同窓会で「老けた」と噂される
2．部下は言いたいことを言えず、取引先からも敬遠され、出世競争からも遅れる。
（P230　引用）
無理に威厳を出しても、部下はついてきません。
逆に威厳がなくても、部下にはバカにされません。
バカにされてしまうリーダーの特徴は次の3点です。
1．決断力がない
2．上司の前と部下の前で言うことが違っている（上司ばかりを見ている）
3．部下の手柄を奪う
ここだけ注意する。
不機嫌なしかめっ面は、外見も悪くしてしまうし、いいことありませんね。