美女は強く求められる、しかし美男は……？　その２

セーラームーンからプリキュアに。この２作品の他にもいろいろ。
美少女チームバトルものとして、長い歴史があります。

これらのチームメンバーは、女の子オンリーです。
この２作品に限らず、似たような美少女チームバトルものは、
みんなそうです。完全に女子校状態。（１作品だけ例外を知ってます）

当然これは、見ている女の子たちがそう望んでいるからです。
可愛い女の子ばかりの理想郷に、男の子なんかいらない、
と言ってるわけです。それらの作品を見ている女の子たちが。

且つ、「可愛い女の子の顔」が大好きで、常に見ていたいと思っている。
だからセーラームーンもプリキュアも、みんなずっと素顔丸出しです。

それに対して、仮面ライダーは。ウルトラマンは。月光仮面だって。
ご存知の通り、「カッコいい男の子の顔」なんて出してませんよね。
そんなもんは、常に見ていたいもの、ではないからです。

実際、男の子たちが憧れてごっこ遊びするのは、「ウルトラマン」や「ライダー」
であり、変身前のイケメンお兄さんにはほぼ関心が向けられません。
そんなもんに比べたら、敵である怪獣の方が好きで、怪獣の人形を集めたりします。

更に。
プリキュアと同じ、ニチアサ仲間の戦隊シリーズ。
これはメンバーの約半数が女の子。

男の子ばかりの理想郷に女の子なんかいらない、とは
言ってないわけです。戦隊を見ている男の子たちは。
女子校ではなく、男子校でもなく、共学です。

前回言いましたように、出版社やテレビ局がリサーチをしてないはずは
ありません。ですから、プリキュアを見ている女の子たちが、
「男の子と一緒に戦ってほしい」「女の子しかいないのはイヤ」
と大勢で強く望めば、それは叶うはずです。

しかしそうなっていない。つまり望んでいないってことです。
戦隊の女の子も同じこと。女の子がいることを望まれているから、
女の子がいなくなってほしいとは思われていないから、女の子は戦隊にいるわけです。
そしてプリキュアに男の子はいない。

で、前回の内容も含めて考え、私なりに思ったこと。

ヒロイン、というものは男女双方から常に強く求められているが、
ヒーロー、というものはそうではない。

しかしその代わり、

ヒロイン、というものは（全部でなくとも大抵は）美女でなくては活躍できないが、
ヒーロー、というものは非イケメンでもそこそこ成り立つ。

こういう形で、男女のバランスがとれてるってことですかね。


その３では、その１その２のような「作品」の話ではなく、
今度はしっかりと「現実」の話をします。



オマケの小ネタ。
「戦隊は半数が女の子」と言いました。
つまり５人中２人です。１人のこともありますが、ほぼ２人です。
で、その内の１人は「ピンク」として、もう１人、もう１色は
何だと思います？

１つに限られているわけではありませんが、１番多いのは「イエロー」。黄色です。
今の男の子たちが戦隊ごっこをする時には、「黄色は女の色だから嫌だ」と
言ったりもするそうで。

なお、「黄色でデブ」というのは４０年近い歴史の中でたったの３人しか
おらず、そこに「カレー好き」まで付くのはオンリーワン、１人だけです。
戦隊ヒーロー、２００人以上いる中でのたった１人なんです。

「戦隊の黄色はデブ」というのは定番でもなんでもなく、むしろレアケースで、
しかも現代の実情『戦隊の黄色は女の子』からは遠く離れた、古い認識ですので。
話題にする際にはお気をつけ下さい。