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短編小説・・・・1

2009年04月15日 19:44

昨日の雨がウソのように晴れ上がった青空
夕べは特に事件も無く、同僚と雨の中酒を飲んでいた。
少し遅くなったが玄関には灯りが。妻はまだ起きているらしい。
そっとドアを開けて入っていったら、いきなり幽霊が・・
いや、幽霊なはずはない。そういうのは信じない男だ。
しかし目の前のそれは全身白で、顔も白。
よく見るとスエットの上下を着た妻が顔のパックをしていた。
拳銃を持っていたら撃ち殺してるところだ。
それでもこんな妻と連れ添ってそろそろ20年になろうとする。
全く出世の見込みが無い俺にただニコニコしながら付いて来た妻。顔はお世辞にもいいとは言えないが、一ついいところがある。
それは料理だ。旨い!別に俺の給料では行けないような高級料理店の味をしっているわけではないが、ツボを心得ている。俺の舌に見事にマッチするのだ。
今日も二日酔い気味の体を無理やり起こして台所へ行ってみると味噌汁のいい香りが。。しかも具は以心伝心のようにシジミであった。
気持ちよく味噌汁をすすっていると電話が鳴った。
妻が取り「てっちゃん、福永さんから電話!」
昔は何度も言った。恥ずかしいから人前で「てっちゃん」っていうのを止めろって。
その度に「だって、てっちゃんだもん。いいじゃん!」だ。
子供が生まれてもてっちゃん呼ばわり。おかげで子供にまでふざけて「てっちゃん」と呼ばれる。
さて福永は何の用事だろう。。そう思い電話を取ると
「タケさん、新宿中央公園でコロシです。」
「わかった。すぐに向かう。署には課長はまだだろうなあ。
後で報告すりゃいいか。すぐに行く。」
そう言って電話を切り、シジミ味噌汁だけ一気に飲んで玄関に向かった。
のんびりした妻は
「ご飯食べないと体に毒よ。」
相手にしていると日が暮れてしまいそうなくらいのんびりした妻なので、素早く現場に向かうことにした。
・・・・・・続く

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