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冬の彼方へーーーエピローグ11

2015年04月30日 22:28

咲紀と神崎は共に居酒屋を出た。
と、すぐに咲紀は神崎に尋ねた。
「神崎さん、さっきお店を出て帰ってきたみたいだったけど、
何かあったんですか?
いつの間に、と思ってちょっと驚いちゃいましたよ、私。」
「え?ああ、あれね…ちょっと悪酔い…外の空気を吸いたくってさ
ほら、店の中、分煙とはいえタバコの臭いで余計に気になってさ。」
神崎は答える。
「確かに少し臭い気になる時ありますよね。
何だ、私てっきり神崎さん、美紅さんに用事があったのかと思っちゃった。
先に帰られましたもんね、だから。」
咲紀はしれっと言ってみた。
「そうだったね。美紅さん先に帰った後だったな…
気づく暇もなかったよ…」
あくまで神崎はシラを切ろうとする。

「ウソだあ。本当は美紅さんを追っかけたんじゃないですか?
だってちょうど美紅さんが店を出てからすぐでしたもん。
本当はそうなんじゃないですか?
あ、ごめんなさい、失礼なこと言っちゃった…
まあ、用事くらいありますよね、
私も引き止めたかったんですけどお疲れみたいだったから、美紅さん」
「咲紀ちゃんにはかなわないな、実は俺も引きとめようかと…
皆気づいてなかったみたいだし、何も言わずに帰るのも珍しいし
さすがに気になったのもあるよ。
疲れたんだろうね、きっと。そんなような感じだったよ」
「そうなんですよ…ちょっとお疲れみたいだったんで私も無理に引きとめられなかったんですよね…
今日は忙しそうだったし、お客さん訪問で気を遣われたんでしょうね、きっと。」
「だろうね…責任感も強いし、まあ東澤のヘルプも大変だっただろうしね」
神崎はようやく美紅を追ったことを認めたが、それ以上の内容まで踏み込む気配がない。

咲紀は少し好奇心からこう聞いてみた。
「ところで神崎さんと美紅さんっていつも息があってますよね?
プロジェクトの中心を担うと言っても不思議じゃないくらい…
なんか、あうんの呼吸に見えるんですよ、うらやましいなぁ!って」
「そうかな?まあそうかもしれないね、
もう何年もチームが同じだから。
そういう咲紀ちゃんも誰とでも息が合ってるように見えるけどね」

その時偶然、歩きながら一瞬二人の手が触れ合った。
「あ、ごめん」神崎は言った。
「そんな、私こそすみません」
咲紀は心なしか顔が火照ったように感じた。
意識してないのに私ったら…とっさに咲紀は手を引っ込める。

神崎は…顔を赤らめた咲紀に気づいて少し戸惑った。

このウラログへのコメント

  • けろ 2015年05月11日 17:38

    神崎は今度は若い咲紀の尻を想像して生唾を飲み込んだ。とか、ありそうです。

  • ジョシュア 2015年05月11日 17:42

    > けろさん

    結末はあっけなく終わっちゃいましたが^^;
    予想通りになったかなあ…^^;

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