書籍:「おもしろい人」の会話の公式

書籍紹介。
今日の紹介は、吉田照幸氏の著書です。

■「おもしろい人」の会話の公式
■吉田 照幸（著）


「おもしろい」の定義って何でしょうか。
かつての私もそうでしたが、ここを間違ってしまう人は意外に多いのではないでしょうか。
「おもしろい」＝「人を笑わせる」
確かにそうですが、状況によっては、「おもしろい」と思っているのは自分だけという寒い場合もあります。
実は「おもしろい」の基準は、自分ではなく相手にあります。
また、必ずしも、「おもしろい」＝「笑う」ではありません。
「おもしろい」＝「楽しんでもらう」あるいは「その場を心地よく過ごしてもらう」に変換して考えるといいのではないでしょうか。
そうすると、コミュニケーションも上手くいくと思います。
本書にはそのような相手軸での面白さを演出する方法を、解説しています。
ビジネスでもプライベートでも役に立つ内容です。
それでは特に参考になった話紹介していきます。


●「おもしろい」人は、大抵、4つのことを意識していると思います。
1．聞く力
2．質問する力
3．相手を理解する力
4．黙る力
「おもしろい人」は、みんながワーッて盛り上がっているときには、その中に入りません。
みんなが盛り上がっているときに、別の人が話に入ってきたら、その人は「おもしろい人」だと思いますか？
A「私、○○だった」
全員「わー、そうだったんだ！」（盛り上がる）
B「オレも、○○で」
全員「へ」（多少沈む）
ということになりませんか？
すでにみんな盛り上がっているのですから、その中に「オレも！」って入っていっても、「あの人おもしろいよね」とはなりませんよね？
本当に「おもしろい人」は、みんなが盛り上がっているときは、一歩引いています。
おもしろい人は、盛り上がっているときに、次の話題を考えています。
盛り上がった次の瞬間、場が静まることはよくあります。
これはここで話題が完全に終わるからです。
そんなときに、もう一度場を沸かせられる人は、みんなから注目されます。
おもしろい人は「話を発展させたり回したりするためには、どうしたらいいか」と先回りして考えています。
ともすると、みんな自分の話をしたがりますが、そうではなく、場を見たり、質問して相手の考えを知ろうとすることが、実は「おもしろい人」への近道であったりするのです。

●「オレも」「私も」は禁止
相手は自分の経験が特別だと思って、おもしろいと思って話しています。
あなたの話はまったく求めていません。
そこを「俺もさあ」って、割って入られたら気分もよくないでしょう。
仮に自分にも似たような経験があっても、「へえ、そんなことあるんだ、おもしろいね」って言って終わったほうが、相手は気分がよくなります。

●男性がやってしまいがちなのが、相手が女性だと、ウケてると思って調子に乗って、ギャグを連発してしまうこと。
女性は笑っていますが、実際は無理しています。
この場合、男性が頑張れば頑張るほど、相手は冷めていきます。
人は、自分の話を聞いてもらているときが一番楽しいのです。
「聞くが8割、話すは2割」
これは鉄則ですね。

●合コンで大事なのは「ツッコミ」より「ケア」です。
男性なら、あまり話に入っていない人に話を振ってあげるとか、女性なら空いたグラスに気づくとか、表の会話以外のところが決め手になります。
これは合コンだけでなく、職場でも同じです。
人望を得るか得ないかは、さりげない「ケア」にかかっています。
落ち込んでいる人に、「何かあったの？」とさりげなく聞く。
ふざけて笑ったりして自分をアピールしている人は、決して「おもしろい人」になりません。
みんな躁状態だから笑っているけど、後から「あの人いいよね」とは、ならないでしょう。
目的を間違えないようにしたいですね。

●スピーチでは、ウケようとすると、みんな「どうもー！」とか言って、大声で張り切って、聞いている人には媚びようという感じではじめがちですが、実際におもしろい人っていうのは、すごく淡々としゃべっているものなんです。
「うまくいかない人は張り切って入り、うまくいく人は静かに入る」
これがスピーチの基本です。