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高倉健さんから学ぶ
2014年11月22日 00:01
「監督ってのは、伸びるからしごくんだよ」
高倉健
高倉健さんがお亡くなりになりました。
今でも残念でたまりません。
不器用だけど、信念を曲げない「男の中の男」を60年演じ続けた人生。
日本の映画史に燦然と輝く大スターでした。
映画『幸福の黄色いハンカチ』で共演した武田鉄矢さんが、あるとき健さんにこう言って持ち上げたことがあります。
「健さんは富士山だから、立っているだけで絵になる」
すると健さんは「富士山は寂しいぞ」と笑ったそうです。
謙虚で、誰に対しても礼儀正しく、人の寂しさや痛みにも敏感でした。
前に書いた武田さんと健さんのエピソードをご紹介します。
武田さんを主人公にして書いていますが、いま読めば、健さんの優しさが心に染みます。
~~~
●悩みは、成長し成功するための活力減になる。
武田鉄矢さんの物語
武田さんは、子どもの頃からコンプレックスの塊だったそうです。
貧しいタバコ屋の息子で、服はいつも同じ物。
胴長、短足。高校時代のあだ名は「バケモノ」。
女の子にモテルわけがありません。
大学を出て、仲間と海援隊というバンドを結成。
自らの半生と母への思いを歌った「母に捧げるバラード」が大ヒットします。
が、その後は不遇の時代が続きます。
生活は逼迫し、才能に疑問を感じ、いつもコンプレックスに悩まされていました。
そんな武田さんが、コンプレックスとのつきあい方を学んだのは、高倉健主演の『幸福の黄色いハンカチ』という映画に出演し、山田洋次監督からしごかれたのがきっかけだそうです。
下痢をして、ティッシュペーパーをもっていくシーンがありました。
武田さんは、おしりを押さえて一所懸命に走る演技をします。
おかしさのあまり、まわりの人はワッと笑いました。
ところが、山田監督からは君のいまの演技には下品な心があると言われます。
そのシーンのやり直しが、15、6回も続くと、さすがに武田さんはひとり落ち込みました。
日頃のコンプレックスが噴出してきて、また明日撮影所にいかなければと思うと、怖くて毎晩酒を飲んだそうです。
そんなとき、尊敬する高倉健さんから声をかけられました。
「おまえはいいな。監督はずっとおまえしか見ていない。監督ってのは、伸びるからしごくんだよ」
武田さんは、健さんのこの言葉に救われます。
「ぼくにとってコンプレックスは吹き飛ばすというより、上手につきあっていくものです。片方の天秤にコンプレックスがあり、もう一方の天秤にうれしい想い出を積み、バランスをとる生き方をつかんだのです」
武田さんは、健さんのやさしくうれしい言葉をもう片方の天秤にのせて立ち直り、この役を見事演じきったのです。
このとき出来た映画『幸福の黄色いハンカチ』は、第1回日本アカデミー賞最優秀作品賞 (1978年)、第51回キネマ旬報賞など、その年の各賞を総なめしました。
第1回日本アカデミー賞、最優秀監督賞:山田洋次、最優秀脚本賞:山田洋次・朝間義隆、最優秀主演男優賞:高倉健 、優秀主演女優賞:倍賞千恵子、最優秀助演女優賞:桃井かおり、優秀音楽賞:佐藤勝。
そして……最優秀助演男優賞:武田鉄矢。
これを機に、武田鉄矢さんは、俳優として高い評価を得て、新境地を開拓していきます。
特にドラマ『3年B組金八先生』(1979年)の主演、金八先生役ははまり役で大人気となり、武田鉄矢さんが作った主題歌「贈る言葉」も大ヒットしました。
武田鉄矢さんが俳優として花開いたのは、山田洋次監督の抜擢と指導の成果でもあったのでしょうが、健さんの大先輩としての優しいフォローもあったからです。
健さんは、共演する役者さんたちに優しかった、だけでなく、照明さんやカメラさんなどスタッフにも礼儀正しく、謙虚で、優しかったそうです。
『幸福の黄色いハンカチ』、お勧めです。
★きっとよくなるヒント★
不器用でも、強く優しく。
このウラログへのコメント
ええ話やね。その映画、わしも借りて観たい。
ええ週末をね。
ベソさん:有り難うございます♪最近高倉健さん出演映画よく放送されてますね♪
明日仕事だけど頑張ります
ラストシーンでどうしても泣けない武田に健さんがありがとう君のおかげていい映画になったと声をかけて
中国からも沢山お悔やみが伝えられた 文革の後日本映画で人々を慰めた 健さんが理想の男性だったらしい
健さん小休止の時も
座らなかったと言います
周りへの気遣いもりっぱですよね
みんな自分の演技に集中したいのが普通だろうけど
そういうなかで人に気遣い出来るところが本当に凄いね
ボブさん:あったかくて格好いいですもんね(*^^*)
かっちんさん:詳しいですね(*^^*)
SYUZO-さん:本当ですよね。元奥さんの墓参りにもちゃんと行ってたり
宵さん:気遣いできる人って余裕を感じますね
声をかけられた武田が泣き出してそれをラストシーンとしたらしい
昔、ログにも書いた彼女との思い出の映画
かっちんさん:そうなんですね思い出の作品…いいな~♪
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