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書籍:吉田松陰と高杉晋作の志

2014年11月03日 09:36

吉田松陰高杉晋作の志
■一坂太郎(著)

以前は終身雇用で1社でしか働いていない人がほとんどでした。
また人生の設計パターンも非常に似通っている人が多かったので、考え方も共通する部分が多かったと思います。
あの時代、あのテレビ番組を観ていましたよね?
このように聞くと、ほとんどの人が観てましたなんて答えていました。
例えば、歌番組ベストテン、古いですが漫画アニメならウルトラマンドカベンなど。
よって感覚的に差がない人が多く、個もそんなに強くないので、マネジメントも比較的しやすかったのではないかと思われます。
一方で、現在の若手ビジネスマン子どものころから個の部分を大切にしてきています。
また終身雇用制ではないので、転職も非日常的なものではなくなりました。
さらには実力主義の影響で、年下の上司年上の部下なんてケースも非常に増えています。
そんな時代に合っているのが、吉田松陰松下村塾でのマネジメントである。
個の長所を生み出し、そこを活かす。
しかし、それだけにはとどまらず、全体のバランスを考え、ナンバー2を育成し、チームのバランスをとる。
全員の長所を活かす。
このようなマネジメントは現代においてもかなり参考になるのではないかと思います。
それでは特に参考になった話を紹介していきます。


吉田松陰が躍進したきっかけを作った人で毛利慶親(のち敬親)という人物がいます。
当時の長州藩藩主で、11歳の松陰の堂々たる講義を聞いて素直に感動したそうです。
松陰が11歳の時、慶親は22歳でした。普通だったら22歳の時に11歳の子供の講義を受け、入門したいとは思わないはずです。
いくらその講義が優れていても、22歳には22歳のプライドがあるから素直に受け入れるのは難しい。
しかし、慶親はそんな下らぬプライドで、みずからの目を曇らせるようなことはしないのです。
相手が何者であろうと、良いものはよい。
それを認める度量と素直さを持った殿様でした。
人材見出し、育てることに至上の喜びを感じていたのでしょう。
これは現代でも見習うべき、部下への目線ですね。
たとえば部下がいい意見を出してきたとします。
でも、そのまま褒めるのもプライドが許さない。
また、上司は部下の言うことを素直に受け入れるのではなく、批判する。
一度却下するように決めているなんていう上司もいるようです。
果たして、これはいいのでしょうか。
このように上司が批判、却下ばかりしていると部下が意見を出さなくなってしまう。
「言われたことだけやっておけばいいや」「無難なことだけやっておこう」とメンバーが最低限しかやらなくなってしまいます。
そうすると成長も止まってしまうわけです。
毛利慶親氏、すばらしい度量の持ち主ですね。
自分より年下でも素晴らしい部分は認める、これは見習うようにしていきたいですね。

文武両道でなくてもいい
吉田松陰は10代の頃、剣道を学ぼうとしたことがあるそうです。そこで柳生新陰流の剣術師範である平岡弥兵衛を訪ね、入門を願い出ました。
しかし、平岡は、松陰が体力的に見て剣道が不向きであると思いました。
まして剣の道を極めたいというのならともかく、腰掛け程度ならやらない方がいいと思ったのでしょう。
そこで、松陰を、次のように諭したそうです。
松陰が行っている教育も、平岡が指南する剣道も、目的は同じ「真の人間」育成にあるものです。
また松陰読書工夫によって練磨の極に達している。
下手に武道をやるよりも、得意なことをやったほうがいいということです。
だから、不得意なことがあっても、恥じることはないのです。
それを無理してやる時間があるなら、得意なことに費やして社会に貢献する方がよいと言うのです。
武士といえども、誰もが文武両道に適しているわけではない。
何がなんでも剣道ができなければ、認めてもらえないわけではないのです。
自分の特技をもって、社会に貢献すればいいのです。
現代のビジネスマンにもいえます。つい、ビジネスマンオール4を目指します。確かに1は周囲に迷惑をかけるからよくないかもしれない。
1から2の段階にはできる。しかし、2の段階のものを4にするのは時間と労力がかかることが多い。ならば2に目をつぶって、4ではなく5を目指す。
こういう生き方をすればいい。
また上司も部下に対して2に時間をかけさせ、才能や特技をつぶすよりも、少し目をつぶって4を5にするように導くようにしたらいいのではないでしょうか。
部下の伸びも大きく変わってくるのではないかと思います。

吉田松陰松下村塾出身の偉人高杉晋作がいます。
晋作は名門高杉家の跡取り息子で、明倫館で学んでいましたが、このころは剣術に熱中し、武人を気取るような若者でした。我がままで、負けん気が強く、子供の頃には、正月に晋作の凧を踏み破った武士に激しく抗議し、土下座して謝罪させたという伝説もある。
友人たちからも「鼻輪のない暴れ牛」と呼ばれ、恐れられていたそうです。
しかし、それだけに、松陰欠点を指摘したら、晋作はよけい意固地になって、学問やらないかもしれない。
あるいは、へそを曲げて、松下村塾通いを止めてしまうかもしれません。
人間、欠点を指摘されるのは面白くない。
それが、的を得ていればいる程、面白くないものです。
下手をすると、せっかうの長所まで潰してしまいかねない。
そこで松陰は、しばらく高杉を観察してみました。
すると、晋作はひとつ年少の久坂玄瑞に大変なライバル意識を抱いていることがわかってきました。
晋作と久坂は幼少の頃、寺子屋で共に机を並べていました。
負けん気の強い晋作にとり、久坂はその時以来のライバルなのです。
そこで松陰は、晋作を発奮させるため、わざと晋作がいる前で、久坂を誉めました。
「久坂君の文章は素晴らしい」とか、「久坂君の詩は上達した」とか、やったのでしょう。
これでは傍らで見ている晋作は、内心面白くありません。悔しくて仕方ないので、ひそかに勉強を始めます。
すると、みるみるうちに晋作の議論は卓越したものになり、塾生たちから一目置かれる存在になります。
こうして晋作は、久坂と共に並び称され、松陰門下の「竜虎」とか「双璧」とか呼ばれるようになります。
さらに松陰は、2人を互いに認めさせ、親友にさせてしまいます。
松陰は晋作に、「天下にはもとより才ある人間は多い。しかし唯一、玄瑞は失うな」と釘を刺したのです。
ここで現代のマネジメントにも通ずる大切なことは、高杉晋作久坂玄瑞の2人を対立させなかったことです。
「両雄並び立たず」なんて言葉があります。
2人優秀な人物がいると対立し、チームに亀裂を生むようになってしまいがちなのです。
よく企業の中には、チーム同士を競わせてインセンティブを与える制度を作っているところがあります。
もちろん、最優秀チームに表彰することは悪くないのですが、そればかりやってしまうと、各々が全体最適より自分自身や自分のチームの部分最適ばかり狙うようになってしまいます。
そうすると、情報共有もできませんし、むしろ競い合いが企業の総合力を落としてしまいかねません。
そうならないためにも、お互いを認めさせ、「両雄を並び立たせる」。
これだけでも、チームは大きく変わってくると思います。

このウラログへのコメント

  • 2014年11月03日 12:05

    いつも素晴らしいログ、ありがとうございます!

  • SYUZO- 2014年11月03日 19:15

    維新の立役者である塾生達を育てた松陰も素晴らしいけど
    松陰の凄さに気付いて着いていった塾生もまた良い

  • なな♪ 2014年11月03日 23:45

    SYUZO-さん:ですね♪ついていきたいと思える尊敬する人はいますか?

  • なな♪ 2014年11月03日 23:50

    そーじさん:有り難うございます

  • なな♪ 2014年11月03日 23:51

    真さん:こちらこそ読みにきて頂いて有り難うございます♪

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