がん悪液質治療剤アナモレリン

がん悪液質っていうのは、がんに罹り食欲不振、筋肉脂肪が減少していって体力がどんどん
衰えて行く事だが、もっと質の悪いのは肝臓の代謝機能の異常が出て来る事だ。
今まで薬品メーカーは、がん治療には抗がん剤とか放射線治療とか免疫療法とかの
薬や装置をメインに開発して来た。
がんに罹って体力を奪われ、思い切った治療を受ける事が出来なくなるのは困ったものです。
がんに罹ると7割の人がこのがん悪液質になってしまうのです。
がん悪液質に陥った患者の体力を回復させる試みはあまりされてこなかったが、ここに来てがん悪液質に
対処する薬剤も出始めています。それが小野薬品のアナモレリンという薬剤です。
食欲回復、筋肉増強の働きがありますが、まだまだ万能ではありません。
ただこのような研究が進む事により、がんが肝臓の代謝異常にも関与している事が分かって来たのです。
肝臓が攻撃される事が一番困るのですよ。がんに罹ると、次第に肝臓での酵素の働きが悪くなり、又解毒作用も悪くなると言う事が起きて来る。
つまりは体力が無くなって行く事になるわけです。
がん細胞が、どういう仕組みで肝臓を攻撃して来るのか、まだまだ分からない事が多いのです。
たががん細胞をやっつけるという直接的アプローチだけでなく、こうしたがん悪液質という
厄介な事に対する研究開発が盛んになって来た事は、がん細胞の本質を探る事に繋がるわけですから
大いに期待できるのではないか。