デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

かぐや姫の物語を見る

2013年11月24日 02:11

昨日が公開初日だった高畑勲監督最新作
かぐや姫の物語”を見てきました。
試写会でのレビューはもうネットにアップしてあって
やっぱり意見はまっぷたつに分かれていました。
私もあの古典をどう高畑監督が料理したのか
幾分興味があり、さっそく見に行ってきました。

あらすじ

竹取りの翁が竹林で金色に光る竹の子の中から
1人の女の子を拾ってきました。
この女の子を家に持って帰り、お婆さんといっしょに
育てはじめますが、この少女はあっという間に
大きくなり、3ヶ月もたたないうちに
10歳くらいの少女に成長しました。

あきらかに、普通の人間と違う。
これは天が我々に与えた宝である!
そう感じた翁は娘を都にでて位の高い身分の
家に嫁がせたいと思うようになります。
かぐや姫を拾った竹から金や上等な反物を
手に入れてしまった翁はその資金を元手に
都に移住を決意します。

一方で、かぐや姫は村の子供たちと
野山を駆け回り楽しく過ごし、
その中で捨丸という年上男の子
恋をします。ですが、姫の思いも届かないうちに
翁は姫を都へ連れて行ってしまうのでした。

都で建てられた大きな屋敷で生活を
するようになった姫でしたが
貴族へ嫁ぐために家庭教師をつけられ
外にでることも許されないまま
ついに女性の体になってしまいます。

これを機会に翁は娘に高名な知識人を呼び
名前をかぐや姫とつけてもらうのですが、
この時にかぐや姫の姿を見た名付け人は
宮中の大臣たちに姫の噂を漏らしてしまいます。
大臣たちはこぞって姫に求婚しますが
みんな姫をこの世に存在しない宝物にたとえて。
しかし、結婚したくない姫はその宝を目の前に
もって来てくれたら結婚する、という無理難題
ふっかけて彼らを翻弄します。

しかし、彼女の嘘によって大臣の1人が死亡。
思いも寄らない実体に己の傲慢に後悔の涙を流す姫。
そんな姫のところについに帝から求婚の知らせが
届きます。しかし、今までの大臣たちとちがい
帝にはこの国の誰も逆らえません。
かぐや姫の部屋に勝手に上がり込み
琴に興じている姫を後ろから抱きしめる帝。

かぐや姫はこのとき、月に帰りたいと
思ってしまいました。その声を聞きつけた
月の使者たちはかぐや姫十五夜の夜に
迎えにきました。翁は屋敷に塀を立て
侍たちを雇って使者を阻止しようとしますが
弓矢を放っても草木に変わってしまい
みんな眠ってしまいました。

月の使者はかぐや姫をつれて帰ろうとしますが
翁と媼が止め、かぐや姫も月に帰りたくない
そう必死に訴えます。
「そんな悲しいこともこの衣を着ればすぐ忘れます」
そういって使者が姫に着せた衣は
姫の今までの記憶を奪ってしまいました。
まるで他人のようになってしまった姫は
使者につれられて月へと帰って行きました。
しかし、月への途中、地球の姿を見た姫は
思い出したのです。

地球で過ごした
生活のことを。
姫は一筋の涙をこぼしました。


感想
なぜか、わかりませんが
姫が最後に地球を振り返るシーンに
泣いてしまいました。

姫が犯した罪と罰とはいったい何か?

罪とはつまり
人間の世界にあこがれること
罰とはつまり
人間の世界へ落とされること

なぜかぐや姫が人間の世界にあこがれたのか
それは月の世界は彼女にとってつまらない世界
だったからでしょう。
彼女は月から地球のありとあらゆる生き物の
生活を見ていました。
鳥、虫、獣、彼らがあんなに生き生きして見えるのは
限られた生命という時間があるからです。
月の世界にはおそらく生命の時間がなく
永遠に変わらない無味無臭の世界なのでしょう。
いわば神様に近い存在であるかぐや姫
人間になって地球で生きたいと思うのは
やはり罪なのです。

地上に降りて罪人として送られたのは
そういう背景があると思われます。
そして、彼女求婚者たちを
なんとかはぐらかしていたのも
地球に少しでも長く居続けたいという思いから
でした。”帰りたい”そう願ってしまえば
彼女にとってゲームオーバーなわけです。

原作にはまったく出てこない
かぐや姫初恋の人
捨丸くんはかぐや姫の心の支えになって
いったように思えます。
本当に自分の好きな人と賛嘆辛苦を
ともにすることが彼女があこがれた地上での生活であって
貴族社会で過ごすことは彼女にとって
月の世界と変わらないことだったのだろうと思います。

そんな捨丸くんも物語最後には
りっぱな一児の父親になっています。
姫の恋はこれで終了です。

唯一の救いは媼がかぐや姫の心を
気にかけていてくれたことでしょう。
女性の描き方は非常に秀逸でした。
逆に大臣5人、帝は女性からすると
本当に気持ちが悪い男性って感じでした。
見ず知らずの男が
後ろからいきなり抱きついてきたら
イケメンでも嫌に決まっている。
翁も最初は可愛いんですけど、出世にからむとなると
目がつり上がって人相が変わってしまいます。

今回の映画は男性よりもむしろ女性
かぐや姫に対して共感できる場面が多いと
思います。

うちの母親かぐや姫田舎の風景が
昔すごした富山山里にそっくりで、
作中で瓜を食べている描写もあれと同じ経験が
あるようです。そういう意味では
母親に見せて正解でした。

このデジログへのコメント

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

ポマポマ

  • メールを送信する

ポマポマさんの最近のデジログ

<2013年11月>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30