【魔法少女カーマイン】13-4　蟹と剣客と緑風

「蟹蟹～っ」
怪物の悲鳴。腹をかっさばかれた怪物。グロテスクな臓物が落ちたり落ちなかったり。
「まだまだ負けてなるもんか。蟹レーザー」
怪物の眼球とハサミが光り、破壊光線を発射する。
「うああああっ」
咄嗟にバリアを張る茜だが、光線は強く、衝撃は免れない。
「あら。もうお仕舞い～？もっと楽しませなきゃ。もう一撃くらい耐えなさい」
トータクは今度はふたりに向けて「めっさつばくえんは」を放った。
その時、一陣の風が吹いた。
「え？え？」
トータクがおろおろする。彼女の技の効果がかき消え、蟹の怪物が吹き飛ばされてしまった。
「今よっ」
空耳のようなものを茜は受信した。この不思議な風は誰かが助っ人として起こしたのか。
「夕焼けこやけで日がくれて、山のお寺の鐘が鳴る。あしき願いよ。烏と一緒にあるべき姿へ還りましょう！」
前置きながっ。
「カーマイン・サンセットスラッシュクロス」
斬撃と爆裂！
ちゅどど～ん。
「蟹、蟹～」
怪物は四散して、やはりかにのぬいぐるみが残った。
「うふふ。どうやらまだまだ遊べる要素があるようね～」
ビルの屋上を指差しながら、トータクは去った。
「そこにビオレがっ？」
小春は改めてその位置を見ていた！もちろん、そこに怪しい人影なんてなかった。もう帰ったのだろうか。

続く！