【魔法少女カーマイン】11-3　素人剣客

「アウシュヴィッツソード」
アドルフが剣を構える。
「カーマイン・タクト」
茜がタクトを掴んで念じると光の刃が出てきた。
「いざ、参る」
「はぁぁぁっ！」
…………。
「なんで動かないんですか？」
「…………」
いわゆるカウンター技らしい。しかし格闘とかには無知の茜には理解し難いものだった。
「そちらこそ何故に動かないのだ？」
「いやぁ、剣ってどうするかわかんなくって」
てへ。
てへじゃない！
「それでも騎士かぁぁ！」
アドルフが怒鳴る。無理もない。
「だって、魔法少女になったのも成りゆきですし……」
「こっちだって、悪の道進んだのは成りゆきじゃい！でも成りゆきは成りゆきなりに真摯にやれや」
構えを解いて、アドルフは普通に斬りかかってきた。
「誰が、好きで、悪をやるかぁぁ！」
「カーマイン・ファイア～！」
茜の左手から火炎魔法が炸裂する。至近距離なので、これは痛い。
「手札を失えば降格なのだ。俺はもう負けられぬ。いけ、ネガイナー」
アドルフは怪物に指示を出した。しかし、反応はない。
「もうやっつけちゃったよ」
小春がカーネーションの植木鉢を抱えて微笑んだ。
「なんですと～(がびーん)」
続く！