- 名前
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- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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ワンダー・ボーイズ ;観た映画、Jan. 09
2009年01月21日 15:04
ワンダー・ボーイズ (2000)
WONDER BOYS
111分
監督:カーティス・ハンソン
製作:カーティス・ハンソン
スコット・ルーディン
原作:マイケル・シェイボン
脚本: スティーヴン・クローヴス
撮影:ダンテ・スピノッティ
音楽:クリストファー・ヤング
出演:マイケル・ダグラス
トビー・マグワイア
ロバート・ダウニー・Jr
フランシス・マクドーマンド
ケイティ・ホームズ
リップ・トーン
リチャード・ノックス
マイケル・カヴァディアス
リチャード・トーマス
ジョージ・グリザード
ケリー・ビショップ
かつては"ワンダー・ボーイ"と騒がれた文学教授のグラディだったが、今や50代を迎え7年間執筆中の小説は未完、妻は家を出、友人の妻で大学の学長のサラとは不倫の末妊娠させてしまう。そんな中、大学で開催される作家たちの会議"ワード・フェスト"に合わせ担当編集者テリーが新作の原稿を求めにやって来る。だがこの会議はグラディの教え子のジェームズの登場で思わぬことになってしまう……。マイケル・シェイボンのベストセラーを映画化。
と映画データーベースに出ていた。
アメリカ第44代目の黒人大統領がマイナス8℃かそれぐらいの外気で就任の宣誓してその周りで皆が浮かれているのを少々能天気だなとメディアの報道を横目で見ながらオバマ大統領が嘗てビリー・ホリデーの見た「奇妙な果実」にならないように祈るものである。 アメリカのテレビ局が伝える大統領支持率78%が一昔前、何処かのK泉さんの多くは中核がオバタリアンによる支持率とどう関連するのか興味のあるところだが少なくともK泉さんの方には出身母体の小さなグレーの鉄砲玉をいくつも抱えているから一安心だったのだが一方、アメリカの大統領は鉄板10cmの専用車で十分なのだろうか。 まあ、この二年が楽しみだ、と思いながらリモコンでイギリスBBCチャンネル1のボタンを押せば本作の始まりだった。
始まりからボブ・ディラン、途中のジャファーソン・エアープレーン、それにニール・ヤングだ。 ボタンを掛け違ったような気がした。 それは本作がいつか後ろ半分ほどだけしか見ていなかったトビー・マグワイアが出るものかと勘違いしたのを途中で分ったからで、それに、それまであまり興味も惹かれなかったマイケル・ダグラスの大学教師・作家がここでは面白く、生真面目な男が交通停滞の間に散弾銃をかかえて定年前日の警部、ロバート・デュヴァルと波止場でドラマを演じるのでも、日本のオオサカ、サカイ、に来て高倉健と浪花節調にからむのでもヤクザの若山富三郎親分とすれ違う井伏鱒二原作の広島原爆の映画化と同名の作でもなく、また、夫婦の薔薇戦争で消耗するのでもウオールストリートで金をつかむのでもない話で、ここに来て初めてやっとニヤニヤ、時には爆笑できる役を演じることになったのかと喜んだ。 けれどその多くはスクリプトに拠っているのだろう。
原作と脚本の齟齬がどんなものか知らないものの軽い映画用としては上出来だろう。 何分に一回かは笑わせてくれたのだから。 多分原作には作家のドタバタと多少の真実が含まれ、これがポール・オースターのもので作家を演じるウィリアム・ハートが配役されるとかなり違ったものになるだろうからこの話にはダグラスが合っているということか。 昔、テレビのシリーズ、The Waltons でジョンボーイだったリチャード・トーマスとフランシス”ファーゴ”マクドーマンドの夫婦も納得のいくもので、教師・作家のジレンマもドタバタの中で上手に処理されている。 この20年ほど日本の作家も頭が少し出たらまだ尻が青いのにそのまま教壇に立つようなことをして中途半端な批評家まがいのぬるま湯に浸かる、そんなちいさな銭湯が一杯の状態に対して欧米にはまだ批評の風土が残っているものの、そんなぬるま湯を鼻にもかけない、漢字も読めず辛抱もなく、漫画しか「読めない」大衆読者と、また漫画を小手先で弄びぬるま湯をぴちゃぴちゃするだけの学者先生たち、並びに文学部学生の風土の日の丸万歳の国ではこのような映画は成立するのだろうか。 本作の中ではどこでも見られる文学部の教室の構図がしめされるのだからある意味では日本ばかりが駄目なのではないのだろう。
後ろに流れる歌に乗りこのように1968年を越してきた作家は日本にはいるのだろうか、とりわけ大学には、ということなのだが。
「カラー・オブ・ハート」(1998)を 「タイムトラベラー/きのうから来た恋人」(1999) と同じように観て興味を持ちはじめたマグワイアだったのだが私が本作と勘違いしていた作品はあちこち捜してなくもどうも分らずじまいで、それは妙な能力を持つ少年が最後に旅客機が自宅に墜落して死んだ現場を実際は知りもしない娘が自転車に乗ったまま眺めておわる、というような話だったのだがマグワイアでなければ誰だったのだろうか。 本作の、映画に対しては強記のメモリーを持つ青年に聞いて見たい。
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