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成程話:淡々と生きること
2014年04月26日 23:17
小林正観さんの心に響く言葉
新しい茶葉に六十度のお湯を注ぎ、一杯目のお茶を出します。
このお茶は甘い。
同じ茶葉で、甘いお茶が出たあとの二杯目を、十度高い七十度ぐらいのお湯を注ぐと、今度は渋みが出ます。
そしてさらに十度高い八十度ぐらいのお湯で三杯目を出すと、今度はお茶の苦い部分が出てくる。
さらに、九十度以上の熱いお湯で四杯目を出すと、もう甘味もなく、渋みもなく、苦みもない、色だけのお茶が出ます。
これが出がらしです。
千利休は、この四杯目以降のお茶、甘味もなく、渋みもなく、苦みもない、かすかに色が付いているだけの茶の味を、「淡味(たんみ)」と呼びました。
「淡々と」の「淡」です。
淡々とは、“水が静かに揺れ動く”という意味で、静かに安定している状態です。
この淡味は、ただのお湯、白湯に近い状態です。
利休は、「この淡味のよさがわからない限り、お茶は永久に理解ができない」と言っています。
利休は、出がらしのお茶のおいしさがわかるようになれと言った。
じつはこの出がらしのお茶のおいしさとは、「感謝」です。
茶道はお茶をいかにおいしく淹れるか、いかにおいしく味わうかの道ですが、それを甘い、渋いと言っている間は、まだ本質がわからない。
淡味のお茶をいかに味わえるか、それをどう喜びとすることができるか、つまり感謝することができるか。
そこで、本当のおもしろさがわかる。
お茶をたしなむ上で、器が良いとか、作法がどうとか、茶葉がどうとか、おいしいとかまずいなどと言っているうちは、まだまだなのだと利休は言いたかった。
これを人生に置きかえていえば、朝起きて、仕事をして、帰ってきて、夕食を食べて、テレビを見て、寝て、また翌朝が来て、また仕事をして、また夕食を食べて…とそういう日々が繰り返されるなかに、人生のおもしろさや、幸せや、贅沢感というのがある。
淡々と生きていくなかにこそある。
人生を、やれ楽しいの愉快のとはしゃいで、「どこそこに行ったからおもしろかった」「あそこに行ったからステキだった」などと言っている限り、本当の人生はわからない。
淡味がわからない限り、人生は永久にわからない、ということです。
「人生の本質は、淡味にあり」です。
「淡々と生きる」ことです。
『淡々と生きる』風雲舎
小林正観さんはこんなことも言っている。
「夢や希望を持って、それを語りなさい。それに向かって行きなさい、という表現もあふれています。夢や希望というのは耳にはいい響きですが、よく考えてみると、結局は『足りないこと』を言っているにすぎないのです。『あれが足りない。これが足りない。あれを寄こせ。これを寄こせ』と言うことを夢や希望であると吹聴しています。これは突きつめていくと、エゴなのです。私たちは九千九百九十の喜びを宇宙からいただいているのに、足りない十個を挙げて、それを『寄こせ、寄こせ』と言っているのです。『その十個を手に入れたら幸せだ。手に入らなかったら不幸だ』と」
我々は、今ある幸せに感謝しないで、「足りない、足りない」、「もっと欲しい」と言っている。
何か特別な面白いイベントがなければつまらない、不幸だ、と。
でも、淡々と過ぎていく平和で単調な毎日こそ、幸せだということに気づかない。
世界のどこか、戦争や紛争が起こっている地域、飢餓にあえいでいる国々、独裁的で自由のない国家、に行ってみれば、それはすぐわかる。
「淡々と生きること」
この日本に生まれた幸せ、そして、今生きている幸せに感謝したい。
このウラログへのコメント
勉強になりますm(_ _)m
しかし、ないものネダリこそ進化・発展・成熟をもたらすジレンマもあり。。
ねこたちさん:有難うございます私もないものねだりよくしてしまいますよ
お茶の飲み方は人生のあり方に通じるっていうことですネ。
奥が深いですネ。
欲望は善悪両面ありますね
koujiさん:ですね。善だけの欲なら素敵なのにと思うけど何故か逆の方が多いですよね
泥酢さん:有難うございます楽する言い訳に…しないようにしていきたいな
感謝ありきのうえで欲すれば良いとおもいます
義務と権利に似てますね
義務を果たしてこそ権利がある
先日25日にライブを行い、
千葉大の多胡先生のお話をし、大好評でした。
ありがとうございました。
SYUZO-さん:そうですね義務を果たしてこそ…
ボーグさん:早速話題として使って下さったんですね好評だなんて嬉しいです!有難うございます
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