ＢＬ！　ボーイズラブ！　同性愛！　その３

開幕の小ネタ。
ＢＬを褒め称える女性の、決まり文句的なものとしてこういうのがあります。

「男の子同士なら、いくらＨしても決して妊娠しない、すなわち繁殖しない。
　なのでこれは、生物的欲求・本能によるものではなく、純粋な愛の行為である、
　ということであり……」

妊娠しないって点については、女の子同士だって全く同じですけどね。

さて。
普通の、異性によるＨと同性愛でのＨは全く別物である、という主張は
私も同感なんですが、あえてそれらを比較するとどうか。
つまり、男性同士・女性同士・異性同士の三つの比較です。

まず。
根本的に異性Ｈは、「女性の体に対して男性が何かをする」が基本です。
女性からのアプローチもあるっちゃありますが、それは男性を気持ち良くさせて
あげたい、という奉仕精神からであって、純粋な「自分がヤリたい」ではないでしょう。

おっと。
これについての反論は受け付けませんよ。
世の中に、「痴漢」という犯罪はあっても、その逆はほぼありません。

男性は、女性の胸やお尻を触りたいんです。強烈に。
でも、女性のそれはないでしょう？　あるにしても、その気持ちは男性よりずっと小さい。

まず、そんな犯罪者が圧倒的に少ないですし（法律上はちゃんと存在してます）、
大好きな男性とＨしたい！　とどれほど強烈に思っても、それは結局
「その男性に抱かれたい、Ｈをことを『してもらいたい』」がまずあり、
その中に「自分からのお返し」もいくらか含まれる、というものではないでしょうか。

まあ所詮、男性である私では、この辺りは推測にしかなりませんけど。

話を戻します。
なので、異性同士のＨを再現するに当たっては、必要なのはどうしたって
「女性の体」なわけです。

女性二人がいれば、片方が男役をやって、相方の胸を男性のように触れば。揉めば。
揉んでる方はともかく、揉まれている方は、目を瞑って相手が男性だと
思い込んでしまえば、ほぼ再現完成です。
異性Ｈの愛撫のように、痴漢のように、胸を揉まれている自分、がそこにいるわけです。

しかし。
もう、わかりますよね？　男性同士ではこれ、どうしようもありません。
片方が男役をするにしても、揉むべき「おっぱい」がないですし、
もう片方の女役にしても揉まれて気持ちよくはなりません。そもそも物理的に揉まれません。

ぶっちゃけた話、女性同士のＨの場合って、バイブか何かが一つあって
それを突っ込んでしまえば、男役はともかく女役の方は、異性Ｈでやることを
ほぼ全部再現できてしまえるんですよね。

一人Ｈなんかそうでしょう？　女性の場合は、自分の手を好きな人の手だと思い込めば、
胸を揉まれるも、お尻を触られるも再現可能です。しかし男性で再現できるのは
手コキのみ。どんなにイメージしても、好きな女性の柔らかいおっぱいは触れませんし、
毛が生えてたりもする固いケツなんか撫でても……

もっと言うなら。
ＢＬにあるパターンとして、「美少女と見紛うばかりの美少年」がいて、
そんな美少年に、ノーマルな男の子が惚れてしまい、「ああ、この子が女の子だったら
問題ないのに」なんて苦悩する、というのがあります。
実際、どんなに顔が可愛くても、脱いだら「おっぱい」はないですからね。
「可愛い女の子のおっぱいを揉みたい」という、男の子の欲求は叶わないわけです。

しかしこの点、女性同士なら大した問題は無い。
前述のように、女性の場合は「好きな人の体をどうこうしたい」、よりも
「好きな人に、自分の体をどうこうしてほしい」が重要なので、
相手の体についてはさほど重要視してないわけです。

男性は「おっぱいがない！　揉めない！」という大問題がありますが、
女性は「私のおっぱいをどうぞ」で済むというか……相手さえＯＫしてくれれば、
ほぼ異性Ｈと同じことができてしまいます。

さっきもいいましたけど、例えば痴漢。
男性は、犯罪者になるリスクを背負ってまで、おっぱいやお尻に触りたい、と
強く強く思っているんです。大多数の人は、それを押さえ込んで我慢しているだけ。
その欲求が開放されるのが、恋人なり奥さんなりとの性行為、あるいは風俗。
そりゃあもう、たまった欲求の大爆発で触りまくりですよ。触らずにはいられませんよ。

対して、女性はどうか？
前述の通り、「そこまでして」男性の体にアレコレしたい、とは
思ってませんよね。重要なのは男性の体ではなく自分の体。イコール女性の体。
つまり、「女性のおっぱい」や「女性のお尻」などなどなわけです。
なにはともあれ、「Ｈをする時」に存在してほしいと男女双方が望むものは。

男性は、「女性の体」さえあれば後はどうでもいい。自分＝男性の体なんてどうでもいい。
だから、前にも言いました通り、動物だの触手だのとのＨシーンにも興奮するわけです。
だから、その不可欠な存在である「女性の体」を欠くこととなる男同士のＨというのは、
よほど重度なそっち方面の人でない限り、興奮できるシーンにならない。ということです。

と、まあ。
とりあえず、男性側から見た、ＢＬ・男性の同性Ｈの困難な点、
いろいろナンギな点を挙げてみました。

実際、この問題は男女で歴然たる差がありますよね。
女性が二人なら、双頭ディルドーを使ってしまえば、二人同時に女役も可能ですし、
もちろんいわゆる「貝合わせ」で、男要素ゼロの純然たる女の世界も可能。
「女性の体」さえあれば、自由自在になんでもできます。

それに比べて、「男性の体」しかない、男性同性愛の選択肢の無さといったら。
まあ「フィニッシュ部分」の男役だけ見れば、極めて近いものが再現できてると
言えなくもないですが……でも、ねえ。

しかし。
そういう困難があるからこそ、通常の異性愛とは全く違うものだからこそ、
だからいい、と思う人もいるんでしょうね。
「違うからこそいい」というのは、それはそれでスジ通ってますから、
私としても異論を唱える気はありません。

違うがゆえに、興味の無い人の目には奇異に映るんでしょうけども。
逆に女性同士は「違わない」からこそ、前に述べたマリみてや宝塚のように、
同性愛とか特に意識していない一般層にも、広く受け入れられる、と。

そういうことではないかと思います。


次は、今回と似たテーマを表でやります。
もちろん、表ですからエロはなしで。
男性と女性の、「求められ方」の違いについて。て