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ネットの素敵話:星の形のにんじん
2013年02月10日 21:18
俺の母親は俺が2歳の時にがんで死んだそうだ。
まだ物心つく前のことだから、当時はあまり寂しいなんていう感情もあまりわかなかった。
この手の話でよくあるような、[母親がいない事を理由にいじめられる]なんて事も全然なくて、良い友達に恵まれて、それなりに充実した少年時代だったと思う。
こんな風に片親なのに人並み以上に楽しく毎日を送れていたのはやはり他ならぬ父の頑張りがあったからだと今も思う。
あれは俺が小学校に入学してすぐにあった父母同伴の遠足から帰ってきたときのこと。
父は仕事で忙しいことがわかっていたので一緒に来られないことを憎んだりはしなかった。
一人お弁当を食べる俺を友達のY君とそのお母さんが一緒に食べようって誘ってくれて寂しくもなかった。
でも何となく、Y君のお弁当に入っていた星形の人参がなぜだかとっても羨ましくなって、その日仕事から帰ったばかりの父に[僕のお弁当の人参も星の形がいい]ってお願いしたんだ。
当時の俺はガキなりにも母親がいないという家庭環境に気を使ったりしてて、[何でうちにはお母さんがいないの]
何てことも父には一度だって聞いたことがなかった。
星の形の人参だって、ただ単純に学校いからって、羨ましかっただけだったんだ。
でも父にはそれが、母親がいない俺が一生懸命文句を言っているみたいに見えてとても悲しかったらしい。
突然俺をかき抱いて[御免な、御免な]って言ってわんわん泣いたんだ。
いつも厳しくって、何か悪戯をしようものなら遠慮なくゲンコツを落としてきた父の泣き顔を見たのはそれがはじめて。
同時に何で親父が泣いてるかわかっちゃって、俺も悲しくなって台所で男二人抱き合ってわんわん泣いたっけ。
それからというもの、俺の弁当に入ってる人参はずっと星の形をしてた。
高校になってもそれは続いて、いい加減恥ずかしくなってきて[もういいよ]なんて俺が言っても[お前だってそれを見るたび恥ずかしい過去を思い出せるだろ]って冗談めかして笑ったっけ。
そんな父も今年結婚をした。
相手は俺が羨ましくなるくらい気立てのいい女性だ。
結婚式のスピーチの時俺が[星の形の人参]の話をした時、親父は人前だってのにまたわんわん泣いた。
でもそんな親父よりも再婚相手の女の人の方がもらい泣きしてもっとわんわん泣いてたっけ。
良い相手を見つけられて本当に良かったね。
心からおめでとう。そしてありがとう、お父さん。
ほんわかします♪
このウラログへのコメント
おとうさん健気な息子に対して常に負い目を感じていたのかなぁ
いいお父さんに後添いさんですね
りぶらさん:ですよね素敵な家庭なんだろうな
星の形の人参で繋がる父と息子の絆
難しい年頃を、人参の絆で乗り越えている所に感動します
.ヒロさん:いい関係ですよね
satoruさん:ですね素敵な関係です
泣かせていただきました。
親の愛情に気付かないで過ごしてきたんだろうなぁと反省
nao--さん:コメント有難うございます気づかずにいること沢山あるのかもしれませんね
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