あたたかく、しめった

空気を
私達は、吸っている

冷たい風でなく、
乾いた秋の
風でもなく...

そのてのひらの
ぬくもりの様に

思わず聞こえた
貴女の吐息の...

あたたかく、
しめった空気の
抱きしめて、

息の
止まるほど...
なつかしく、

小鳥を
捕まえた時の
ぬくもり...

それと知らず
胸元を見つめていた
男の視線を...

気づいて
いたでしょうね
貴女は...

ない胸の
本当に胸のない
少年みたいな
細い肩...

好きになるのは、
胸の大きい、小さい
では無論なく

好きになるのは
その吐息の
こらえきれない...

熱さと
しめり...

でしたか、
人の吸う空気の
甘く、しめり...

決して
乾いた秋の
風でなく...

吸うも
好くも
同じ言葉の変化...

でしたか、
人の好い
はきだす空気.....は、

切なく
秋の空気に
乾いて...

あたたかく、
湿った空気を.人は
吸い、
吐いているのに...