- 名前
- ヴォーゲル
- 性別
- ♂
- 年齢
- 73歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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射撃クラブにて
2006年09月11日 01:12
いよいよ秋も始まり我々の射撃クラブにも皆それぞれ休みが終わって日常の生活が戻ることもあり、歯抜けのように欠けていたメンバーもほぼ3ヶ月ぶりに再会して互いの近況を報告しあった。
私がこの二十年程道楽を続けている古式銃射撃は会員数3万ほどのオランダ射撃協会の一部門で国内選手権大会でも200人集まれば上出来というほどのこじんまりした年寄りの多いゆったりとした趣味人の集まりである。
まあ、大抵は射場での修練の後、古式銃を扱う連中がクラブハウスの決まった一角で小さな輪になって他愛の無い話に時間を忘れるのだが、この日は一人がこの間フランスのボルドーで開かれた古式銃世界大会に役員の一人と参加してきたという話になり、そこで日本代表の旧知と再会して、贈り物をもらったのだけれど、食い物には違いないが、何か、どういう風にして食するかさっぱりわからない、長方形のインゴット棒状のものが3つ、合計1kg以上あるのだという。 そこで日本人の私に聞いてみようとなったのだが、そこで、贈り主からどんな説明を受けてもらったのか先ず逆に問うと、日本の伝統的な特別な食べ物だ、ということだけだったらしい。
で、その日本の伝統的で特別な食べ物の包み紙の切れ端を見せられてわかった。 日本で高名な羊羹であり、こちらでも近くではデュッセルドルフには出店があると20年以上前には聞いていた。 実際、京都に行った折には御所の近くの古い店でも買い求めたものだ。
で、更に聞いてみると、こんなものは嘗て見たことも聞いたことも食したこともないという。 そこで丁寧に包装された中身を覗かせて匂いを嗅いでみても今まで経験した事のない匂いでもあるし色にしても赤ワイン様、日本では酒は温かくして飲むということを聞いているので湯灌しようかと考えていたところ私のことに思い当たり湯灌を止めて先ずあいつに聞けとなった次第。
ふむ、夏にはプリンや羊羹様の冷菓があるものの暖かい羊羹は食したことがあったかどうか思い出せない。 まあ同様なもので寒天の加わっていないものであれば汁粉や善哉があるがそれは味の系統で見た目は違う。
材料と味の系統を様々に説明するものの、豆と砂糖であるので、特別のこともなく、それでは何が特別なのかというと経験のないものにはなかなか理解しがたいようで、結局は喰ってみろというしかなく、本当は苦めの緑茶がいいのだけれどコーヒーでも紅茶でもいいよと言うとそれじゃ赤ワインでやろうじゃないかという者, あげくにここは火薬を日常取り扱うものの集まり、それはここ10年ほど前までに世界中で恐れられていた300grほどで飛行機を木っ端微塵にできるプラスチック爆弾セムテックスじゃないのかと言うものまでまで出る始末、本人は空港では持ち帰りのワインともども何も調べられなかったともいい、結局、来週はこれを何人か試そうということとなった。
一般には味に無頓着のオランダ人の舌にどういう風に感じられるのか聞くのが楽しみだ。 玉露を持っていって試させてみよう。
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