【お題日記】人前でキスする？●キス（2）『なりきりも、またそれはそれで・・』

2010・6月から7月にかけて書いた『女の子たち』その2）から その6）の登場人物 K.K。現在、彼女はカナダで生活しています。ある日、突然のメール・・・『日本に一時帰国します。もうすぐ離陸します。』


なんと、それだけの情報しかなかったのですが・・・調べに調べて、カナダからの便で、K.Kが乗っていそうなのは、おそらく、成田に15時頃到着する便・・・と予想しました。しかし、確信はありません。メールの打電時間からの試算なので、ほぼ、当てずっぽでしかないわけですから。


これは、二人の運命を占う様なものだから、迎えに行こう・・・バカでしょう。自分で呆れてしまいます。大体、広い空港で、何の待ち合わせも無しで会えること自体、奇跡的なのに、到着時間も・・まして、到着空港さえ確証がない『お迎え』・・・そんなの、宝くじと同じで・・・でも、何故か、その時は、宝くじは買わないと当たらない・・・そんな意味のないポジティブマインドで成田に向かいました。


車で向かって、運悪く渋滞に巻き込まれるのも嫌だったので、安全策と思い、電車で成田に向かいます。でも、そう言う時に限って、人身事故発生！やれやれ、大変な思いで、飛行機の到着3分前にやっと、空港駅に辿り着きました。・・・これは、もう会えないかもな・・・そんな諦めの気持ちも半分。でもなぁ・・折角ここまで来たのだから・・そう思い直し、小走りで、到着ロビーに向かいます。


私が、到着ロビーについたのは、既に、カナダ便着陸の7分後。あーあ、遅かったか・・・しかし、最初の乗客がようやく到着ロボーに着く頃だったのです。私は、少し遠巻きから、目を皿のようにしてロビーに着く乗客たちを見ています。・・・しかし、K.Kの姿は、確認出来ませんでした。まぁ、そんなもんだよな・・そう思って、帰りかけた時です。


『zzさん！』
そう呼ばれて、振り返ると、少し離れたところに、荷物を両手に持ったK.Kが立っています。K.Kは両手の荷物をその場に放り投げ、一目散に走って来ました。それは、まるで、ボディーアタックのようにK.Kは、私に飛びついて来たのです。そして、熱いキス！！一目を憚らず・・随分ながーい時間二人は抱き合ってキスをしていました。


目を潤ませてK.Kが言った第一声は・・『いると思った・・』


・・・私の気持ちは、まるで、映画の1シーンのように美しかったのですが・・・現実は、身長158cmの私と身長152cmのK.Kです・・・我にかえるとそれはそれは、陳腐な茶番劇です。わー恥ずかしい。